top of page

ハレの日

(ひふど前提、弟×独歩/高校二年の夏、ひふみとのセックスを二歳年下の弟に見られた独歩は、責任をとって弟とセックスする。※♡喘ぎ注意!!)

 
 僕には、兄貴がいる。観音坂独歩。独りでも歩けるように、と両親がつけた名前。兄貴は陰気な性格で、家でひとりのときはよく音楽を聞いているようなやつだった。
 それでも冷たいというわけではなくて、弟の僕にはそれなりに優しかったし、たった一人だけど友達もいた。一二三くんこと、クラスメイトで幼なじみの伊弉冉一二三。天然物だというきらきらの金髪がまぶしい、ものすごい顔立ちの整った人だ。しかも、性格は兄貴と正反対で、明るいムードメーカーって雰囲気。
 そんな一二三くんは、記憶にあるかぎり、僕が小学生低学年だったころから僕んちに入り浸っていて、兄貴にぴったりひっついていた。つながったさくらんぼの片割れみたいな、そんな感じ。いつもいつも兄貴といるもんだから、小さい頃の僕は「兄ちゃんをとらないで」なんてだだをこねたこともあったらしい。
 一二三くんはいいやつだ。けれど、一二三くんのせいで、僕と兄貴は致命的な間違いを犯すことになってしまった。それだけは、きっと今後一生彼のことを許せないだろう。
 それが僕の勝手な逆恨みだとしてもだ。
 

・・
 

 それは、僕が中学生で、兄貴が高校生のころだったと思う。ひどく暑い夏の日だった。部活から自宅に帰ると、家の玄関にひふみくんの靴があった。ああ、また来てるのか。そう思いながら、二階にある自分の部屋に上がる。階段を一段一段踏みしめて行くにつれて、話し声と物音が大きくなって、どうも様子が変だ、と僕は首を捻った。
「......ひふみッ、やめ、ろって。うあッ♡」
 兄貴の部屋から漏れ出ていたのは、ついぞ僕が聞いたこともないような、兄貴の甘えるような声。僕は、隣の自分の部屋の引き戸に手をかけたまま、硬直した。
「あ、はッ♡ 声出るからッ♡ やだッ......ンンッ♡」
 普段低い声でもそもそとしゃべる兄貴からは考えられない、女みたいな甲高い声が、扉一枚ごしから聞こえてくる。心臓がどきどきとして、僕はおそるおそる、兄貴の部屋のドアを少しだけ開けた。
「ふ、ああッ♡ だめだってッ♡ そこばっか、つくなあ♡」
「は、どっぽ、きもちー? すげーかわいいね。おしりもぎゅって俺っちのことはなさねーよ」
「うっるさいっ! あッ♡ ぜんりつせッン♡ だめっ♡」
 実兄が、小学校からの幼なじみと、セックスをしている。僕は自分の目をうたがった。兄貴のベッドに、ほとんど裸のふたりが絡み合うように転がって、一二三くんが兄貴に腰をぱんぱんと打ち付けている。目の前が真っ白になって、僕は逃げるように自分の部屋に逃げ込んだ。
 あんな、いやらしい声をだしてよがる兄貴なんて知らない。でも、兄貴が友達に犯されて、恥も外聞もなくあえいで身もだえるあのワンシーンが目に焼き付いて離れない。
 気づけば、僕は勃起した自分のペニスをしごいて射精していた。実兄でオナニーをしてしまった、という絶望感は果てしなく、反面、ものすごい背徳感がぞくぞくと背中をかけあがった。


・・


 その夜、兄貴はなんでもない顔をして俺の前に現れた。「母さんが、お前の課題みてやれって」
 すました顔でそう言う兄貴がおかしかった。さっきまで、一二三くんとセックスしていたくせに、なにもありませんでした、みたいな態度をとるもんだから。
「どこが分からないんだ?」
 僕が広げていた理科の問題集をのぞきこむ兄貴の首に、赤いあとが見える。あ、キスマークだ、と未熟な僕にもわかった。問題集のページは、ちょうど分化のところだった。理科は苦手な分野だったけれど、今の僕が聞きたいのはそういうことじゃない。「あのさ」
「兄貴、一二三くんとつきあってんの?」
 意を決して口を開くと、兄貴は数秒ほど、かちんと石みたいにかたまった。「な、なんだよ。急に......」
「つきあってないん? 僕見たよ。兄貴が一二三くんとエッチしてるとこ」
 サアッっと血の気が引いて、元から悪い兄貴の顔色が更に悪くなる。兄貴は隠し事が下手だ。こんなにわかりやすい反応していいんだろうか、とかえって不安になる。
「お、俺と、一二三が? そりゃ、俺たち男子校だし、周りじゃそういうことも結構あるけど、俺と一二三だぞ? ああ......クラスのヤツにも言われてるし、それもこれも全部俺がわるい、俺のせい......」
 ぶつぶつと、頭を抱えて自分の世界に入ろうとする兄貴の腕を、僕はぎゅっと握った。
「だから、見たんだって。兄貴が、今日の昼、ベッドで一二三くんに突っ込まれて、すけべな声だしてるとこ......。僕そのせいで、昼から兄貴のこと考えて勃起しちゃうんだ。兄貴のせいで」
 わざと、『兄貴のせい』のところにアクセントを置いてしゃべると、兄貴は一瞬、ためらうような表情をした。申し訳ない、という自虐をものの見事に煽ってしまったようで、うう、と唸る。僕は、その隙を逃さず、兄貴を勉強机のそばにあるベッドにひっぱって、仰向けに押し倒す。そして、カッターシャツの裾から手を入れ、兄貴の体を触った。びく、と兄貴の腹が震える。
「ちょ、お前、手......」
「ねえ、兄貴。責任とってよ」
 とっさにどかそうと身じろぎをした兄貴だったけれど、そういえば、抵抗が弱まる。ほんとうに、責任を感じているらしい。
「こんな、俺の貧相なからだで、気が済むなら......。許してくれるなら、お前の気持ち、受け止めるから......ッ。でも、この一回だけだぞ」
 だから、一二三や母さんたちには黙っててくれ、と懇願する兄貴は、なんだか情けなくて、それでかわいかった。僕は、シャツの中をなでて、それからすっかり勃起している乳首をぎゅっとつかんだ。
「はっ、あッ♡ そこっ、きゅうにいッ! だめだって、ん゛んっ♡」
 一二三くんと昼にエッチをしたばかりの兄貴は、まだどこもかしこも敏感らしかった。シャツの上から、下から、体をさわれば、いやらしい声を上げてよがった。
 とくに乳首はちんこのようにとがってシャツの上からも分かるほど浮き出ていて、一二三くんとのセックスの回数がそれなりにあるんだろうな、と感じさせられる。
「くあッ! そんな♡ ぐりぐりしたらあ♡ んあッ♡ あっ♡」
「兄貴、男なのに乳首がいいの? いっぱい一二三くんにいじってもらった?」
「ひ、ひふみい? あ、あいつ♡ しつこいから♡ あっ♡ そんなにぎゅうってたら、だめだって♡ んう゛ッ――――ッ♡」
 ぎゅうとシャツごしに強く引っ張り上げると、兄貴はびくびくと腰をくねらせて乳首イキをした。兄貴の黒いスラックスの股間部分を触ると、ぐちゃり、と放たれた精液の感触が伝わってくる。「ばかあ♡ さわんなっ♡」
「触るなって、だって兄貴......。触ってほしいって期待いっぱいの顔してるよ」
「う、嘘だ! アッ♡ く、ほんとに、い、一回だけだからな......ッ」
 涙とよだれを垂らした兄貴をみおろし、ごくりと僕は唾液を嚥下した。「ヤッたばっかだし、もう入るから、いれてくれ......」
 兄貴は、自分でズボンをずらすと、股をかぱりとひらいて、ひくつくおしりの穴をくに、とひろげてみせた。カッとなり、僕は誘われるまま、兄貴の穴に勃起した自分のちんこをずぶずぶと埋め込むみ、ピストンする。やわらかい肉壁が、男根の侵入をよろこぶように、顫動する。
「兄貴、兄貴ッ! すっごい......」
「っはあ! 兄さんも、一番きもちいいトコ♡ いっぱいコスれて♡ んんっ♡ ヤバい♡ はああ♡ ごめんっ、ひふみい♡ 俺っ、弟ちんこはらンなかにずっぽしハメて♡ 気持ちよくなってる♡ はあッ、謝罪せっくすきもちい♡ とろとろのせーえき、兄さんのいちばん奥の奥で、びゅ~って出してくれっ♡ 駄目兄のオスしきゅ~にっ、出せよッ♡ 出して♡ それでっ、ゆ、ゆるせよぉ♡」
 ぎゅうと、兄貴の両足でホールドされて、ずぷぷ、と僕のちんこが兄貴のけつまんこに限界まで入っていく。最奥の壁にごりゅ、と思い切り押しつけて、僕は思いきり射精した。
「ア゛ッ♡ あう~~ッ!」
 僕の射精にあわせて、兄貴の雌アナルも同時にメスイキし、きゅうきゅうと締め付けをつよくして、まるでそこのおくに孕み袋があるかのように実弟の精子を吸い上げていく。
「はあ、兄貴......、兄貴......ッ。すっごい出た......」
「童貞なのに、すごすぎだろ......♡」
 すっかりスイッチが入ってしまったらしい兄貴は、僕を抱きしめると、優しく頭をなでてくれた。その行為に、僕のちんこはまたふくれあがって、ぎちぎちと兄貴の肉の隘路を広げる。そのまま、コツコツと奥を叩くと、体を反らして痙攣して震えだした。
「あ゛ッ、今はら゛めッ♡ 敏感だからッ! こら、がっつきすぎ♡ こしぬけるう♡ あう、イッったばっかだからあ~~~~♡」
「兄貴い、責任とってよおッ! 兄貴のせいで、僕こんななってるんだよ」
「しぇきにん♡ とるから♡ 兄さんのッ、ケツイキする下品なアナルでたくさん気持ちよくなってくれよ♡ 弟の勃起のせきにんとるッ! とりまひゅ♡」
 とろんとした目で、兄貴は何度も絶頂して、腹の中を僕の精液でたぷたぷにしながら、下品な言葉を口走り、獣のようにけたたましい悲鳴をあげた。
「兄貴っ、兄貴っ......!」
「くううッ! ヒッ♡ ヒイッ♡ ん、んん、あっ! あ、あ、イくッ、~~~~~ッ♡」
 兄貴のからだは本当にあつくて、中はふかふかで脳髄まで甘やかされ、あらがいたい魔法にかかったような錯覚に陥る。ぱちゅ! ぱちゅ! と、兄貴のしりたぶと僕の体がぶつかる音が部屋に響いた。腸液と精液が混ざって、いやらしい水音がする。もう何回目の射精か分からない。
「あ゛ッ♡ ひふみぃ♡ こんなのッ、あっ、S字結腸ずんずんきてるう~~~~ッ♡ 弟の中学生チンポでよがるだめな俺を♡ 許してくれ♡ あ゛っ、またイぐッ――♡」
 兄貴は、正常位の姿勢で煮えたぎる子種汁の噴射を受け、恍惚としてゆがみきった表情で俺のからだをかき抱き、ぐったりと倒れた。


・・


 それでも、兄貴は一度だって最中に僕の名前を呼んでくれやしなかったし、キスも許してくれなかった。
「だから、兄貴のことは責めないであげてよ、一二三くん」
 この話を一二三くんにするつもりはなかったけれど、兄貴が、兄貴なりに最後の一線を守るだけのことをしていたということを教えてあげないと、あまりに兄貴がかわいそうだったからだ。「ふうん。そ」
 一二三くんは、甲高くて賑やかな普段の姿とは打って変わって、温度のない表情をしていた。怖い、と思った。それから、黄緑に光る目だけで、それはきれいに笑って。
「知ってっし。バレたとき、ごめんゆるしてって言うどっぽ、ちょーかわいかったから」
 あっけらかんと言う一二三くんは、僕がよく知っている彼じゃなくて、どこかばけものじみていた。はい、ゴシュクギ。と、今日の新郎に渡すにしてはぞんざいに渡された封筒を、僕はうけとる。
「じゃあ、オシアワセに!」
 僕だけ取り残された新郎控え室には、遠くから定番のウェディングソングが聞こえていた。


あとがき
予定と違う

©2019 by NEEDLE CHOO CHOO.com。Wix.com で作成されました。

bottom of page