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​欲望

​​(銃独 お題ばこより セックス 当社比BLぽい)

 今の入間さんは、ちょっとおかしくて。だって、俺なんかとセックスしたいだなんて言ってラブホテルのシャワー室でシャワーを浴びている。
 これが入間さんの「欲望」だっていうなら、彼はきっと目が覚めたら後悔するんだろうな、と思って、俺はスラックスの中に納めたアナルプラグをそっとさわった。中にはたっぷりローションをいれてあるから、きっと大丈夫だろうと思われた。
 なんだって、悪魔がよりにもよって入間さんに感染したんだ、とうんざりする気持ちで、もじもじと膝を擦り合わせる。
 H歴になって、通称「悪魔」と呼ばれる、一種のウイルスが流行るようになった。それは、人間の持つ欲望を増幅して、理性を奪ってしまう。その病気をなおす一番の方法はワクチンを打つこととーーーーその欲望を解消してしまうことだ。
 ワクチンは、まだ高価で希少だ。となると、欲望を解消する対症療法が一般的で。だからといって、やっぱり治すためだからといってセックスをするのは、どうにも気が進まなかった。
「観音坂さん、お待たせしました」
「……入間さん」
「いいんですか」
「言わないでくださいよ。準備したのがばかみたいじゃないですか……」
 風呂あがりの彼が近づく。これは治療だから仕方がないのだと言い聞かせて、俺は地面を見た。
「だって、入間さんこそ、俺なんかとセックスしていいんですかーーーーんっ、あっ……ふ……!」
 顔をぐ、と上に向かされたかと思うと、口にぬるりと舌が入り込んできた。入間さんの舌が、俺の舌と絡んで、上顎をいたずらになぞり、歯列を擽る。
 病人を前に抵抗する気も起きなくて、ただただ、増幅された性欲解消のために俺なんかとキスをしなきゃならない入間さんがかわいそうで、それでもどうしようもなく気持ちがよかった。
「っ、はあ……。いきなり、酷いですよ」
「発症してからずっと我慢していた私に、それを言いますか」
「あっ、すみません。ねえ、入間さん。ほんとに俺で、ぁうんっ!」
「やかましい。あなただって期待してるじゃないですか。シャツの上からでもたってるのがわかる」
「は、あっ……。むね、さわってもっ楽しくないですよ、はっ」
 シャツの上から両手でぐりぐりといたいほどにこねられて、太ももが震える。はしたないと思いつつも、むねをつき出すように背中をそらしてしまう。
「楽しいですよ。ずっと、こうやって、苛めてやったらどうなるか考えてた」
「んっ、あっ! ひっぱらないでくださ、のびちゃ、のびちゃいますっ」
「じゃあ、押し潰してしまいましょうか」
「~~~~っ! あっ、ぎゅってするのもやめてください……っ」
「だらしない乳首にしてやって、どこにも裸で出れないようにしてやりたいって俺は思ってたよ」
「んえっ、入間さん、趣味悪……っ」
 さんざん服のうえから苛められた俺のむねは、ぽってりと膨らんでじんじんと痺れた。好きな人を、彼はどうも独占したいタイプらしい。趣味が悪いと罵ると、凝らしめるようにむねを吸われた。
「あ、ああっ……。入間さん、赤ちゃんみたいですね」
「ん、ひもちいいですか?」
「うんっ、吸われるの……気持ちいいです……っ。それに、入間さんかわいい」
 同い年の男に何を言うのか、と思われそうだけれども、俺の胸にむしゃぶりついて、赤ん坊のようにちゅうちゅうと吸う入間さんはどうにもかわいらしかった。
 頭を撫でてやれば、気をよくしたのか甘えるように鼻をならした。
「入間さん、治りそうですか?」
「いえ、まだ。ねえ観音坂さん、ここに、入らせてください」
 ギラギラと、目をけもののように光らせて、入間さんは俺の尻のあわいをなぞった。彼の指先がこつんとアナルプラグにあたると、どきりと心臓がはねる。
「は、はやく。するならはやくしてください……。俺を使って……」
 俺は、自分でスラックスを脱ぐと、パンツも取り去ってベッドの上で四つん這いになった。セックスをしさえすれば、入間さんの『セックスをしたい』という欲は満たされるはずだから、はやく棒をいれて擦って出すだけの行為を終わらせたかった。
「私はこっちが好みです」
「あ、はい。そうですか」
 アナルプラグを抜きさると、入間さんは俺を仰向けにして、まるで恋人にするみたいに手を繋いだ。俺は彼の恋人ではないけど、精一杯するから、気持ちよくなって、それで満たされてくれればと思った。
「いれますよ」
 その言葉を受けて、俺は入間さんが挿入しやすいようにほんのすこし尻をあげる。ローションでどろどろになった尻穴に、入間さんのペニスがぬぷぬぷと侵入してきて、俺は思わず声を出してしまった。
「すみません、声、抑えるのでっ。入間さん、はやく出しちゃってください」
「嫌ですよ。聞かせてください。恋人みたいなセックスしましょう。俺はしたい」
「やですよっ。あっ、動かないでくださっ。だって俺たち恋人とかそういうんじゃないし……はっ、入間さんだって治ったらあっ、やだやだそこ、そこ弱いからぁ」
 がつがつと前立腺を雁首でえぐられて、奥 と亀頭がぶつかる。媚びた声が止まらなくてどうにも恥ずかしい。
「恋人になればいいだろうが」
「やだっ、やですっ! もう、はやく出して……終わって、元に戻ってくださいよっ」
「っせえな。恋人になるって言えよ。俺が、どんだけ、あなたのことを……」
「はっ、はげしっ、壊れるっ。壊れちゃいますから、入間さんっ」
「観音坂さん、ほら、言って」
 入間さんは、しきりに言え、言えと言いながら、律動を激しくして。俺は弱いところを全部擦られてどうしようもなくなって、「入間さん」と声に出した。
「入間さん、すき、すきですっ。こ、恋人に、なってくださいっ。おれ、おれ入間さんのっ、恋人になりますっ! だから、だからっ、終わっても、びょうき、治ってもっ! 好きって、抱きたいって言ってください……!」  
 そのあとはセックスに夢中になって、何度も何度も好き、好きと言いながら、そして入間さんに言われながら、発情期の犬みたいに腰を降りたくって何回もイッた。
 入間さんの種が、びゅえびゅうと腹のなかにうちこまれて、それが死んでいって。それが気持ちよくて俺もまた絶頂する。
 淫乱そのものの俺を、入間さんはかわいいかわいいと言って、抱き締めてくれたので、もう彼が満足してしまってもかまわないと思った。
 でも、もし悪魔がどこかにいってしまっても、入間さんが俺を欲しがってくれたなら。二人で堕ちていきたいと、そう願って腹を撫でた。

 

おわり


あとがき
これリクエスト内容、アホエロだったんすけど(白目)

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