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(理独 R18 クソのようなあらすじ テリトリーバトルのあと、休みの日に理鶯のアジトにラベンダードリンクのレシピを教わりに行った独歩がもてなしを受け、お泊まりをし、なんやかんや酔っ払いの勢いでセックスします。以上。)

「お客さん。ほんとにこっちでいいんですか?」
 観音坂独歩は、平和交通のタクシーに揺られながら、手書きの地図を見つめていた。
「あ、はい」
「いや、こっちもうなんもないですよ。森ばっかで」
 死ににでも行くんですか? と、壮年の運転手が独歩に問う。そりゃ、職質されるような辛気くさい顔のサラリーマンが、スーツ姿で森なんかに行ってたらそうなるわな、と自嘲して、独歩は「知人がここに住んでて」と返した。
「そりゃ、奇特なお友達ですなァ」
「まあ、変わり者かもしれないですね」
 独歩はそう言って、つい最近のテリトリーバトルのことを思い出す。最終決戦の舞台に、こんな冴えない会社員である自分が立つだなんて、少し前の独歩なら思いもしなかっただろう。イケブクロのバスターブロス、ヨコハマのマッド・トリガー・クルー、シブヤのフリングポッセ、そして独歩自身が一角をなすシンジュクの麻天狼。中央区で行われたラップバトルのすさまじさ、そして様々な人との出会いは、今も独歩の心に残っている。
 ラストバトルの結果が決まったときの、濁流のように全身を駆け巡った言葉にできない感情は、きっと普通に生きて普通に死んでいたら得られないものだった。はじめは自分が代表なんてと実感がなかったものだけれど、今なら言える。シンジュク代表麻天狼のDOPPOでよかったと。
 そんなことをぼんやりと考えていると、タクシーが停車した。
「お客さん、ここでどん詰まりですよ」
「あ、はい。すみません。今降ります」
 代金を支払い、ありがとうございます、と頭を下げると、タクシーは帰って行った。
 さて、どうしようか、と、手元にある地図とにらめっこしていると、「観音坂」と低い声が上から降ってきた。
「毒島さん!?」
 上を向けば、ミリタリージャケットを着た背の高い男が、木の上に立っていた。さすが、サバイバル技術に自信があるだけのことはある、とよくわからない感想を抱きながら独歩が呆然としていると、理鶯はひょいと身軽にそこからおりて、独歩を出迎えた。
「小官のアジトに来てくれて感謝する。今日は一日、貴殿をもてなそう」
「い、いえ。そんな。もてなすだなんて。普段通りでかまいませんので」
 マッド・トリガー・クルーの毒島・メイソン・理鶯。決戦後、別れ際に独歩に手書きの地図をくれ、「いつでも来ていい。貴殿も小官と同じソルジャーだ。そのときは丁重にもてなそう。それと、ラベンダードリンクも」と言い、握手を交わした。
 そのときばかりは、独歩もくちぐせのすみませんという一言は口からでず、「本当に良い戦いでした。ありがとうございました。必ずお邪魔させていただきます」としっかり彼の目を見て言ったものだ。
「かんの、観音坂。......言いにくいな。ファーストネームで呼んでも?」
「あ、はい」
「では、独歩。小官のことも理鶯と」
「はあ。......ええと、理鶯、さん」
 そう独歩が呼べば、理鶯は満足そうにニコリと笑った。人を名前で呼ぶことなんて、幼なじみの一二三くらいのものだから、誰かをそう呼べるのは悪い気分ではなかった。
 そうして、獣道を案内されたどり着いたのはテントの張られたキャンプ地だった。
「ここが小官のすみかだ」
「もっと......、こう、家があるのかと思っていました。ロッジみたいな」
 独歩が家の形をみぶりてぶりしながら言うと、理鶯はまじめくさった顔をして、「拠点は移動し続けねばならない。昔は木のくぼみや、洞穴で寝ていたのだが、左馬刻がリッジテントをくれてだいぶ生活が楽になった」と返した。
「ほ、洞穴」
 都市部での生活に馴れた独歩には考えられない話だった。先の武力戦争の時にだって、非戦闘員として核シェルターにずっと避難民として一二三と過ごしていた独歩であるから、こういういわゆる野性的な生き残り(サヴァイヴ)方法は知らないのだ。
「リッジテントは簡単で、とてもいい。グラウンドシートは薄くてもしっかり断熱するし、フライシートがあれば雨風もしのげる。組み立ても馴れれば数分だ」
 こんなに良いすみかを、小官は知らないと理鶯は言う。独歩は、生きる世界の違いを痛感し、呆然とする。これが軍人というものか。
 そうしているうちに、理鶯はテントの中にはいり、また出てきて、独歩に紙きれを一枚渡した。
「独歩。約束の、小官特製ラベンダードリンクのレシピだ」
「あ、ありがとうございます! 中央区ではじめてお会いしたときいただいて、感動しました」
「貴殿が眠れるようになることを小官も祈っているぞ。目元のクマが相変わらずひどい」
「はは、もうなんか、これはきえないんじゃないかと自分でも思います」
 もうずっと、クマのない自分の顔を独歩は見たことがない。けれど、これで少しは眠れるようになるといいと独歩は思った。紙きれをビジネスバッグに大事にしまうと、独歩は代わりに、と理鶯にデパートの紙袋を渡した。
「お呼ばれしたので差し入れを、と思ったんですが、俺、何をお返ししたら良いかわからなくて。あれから入間さんとも結構連絡をとるようになったので、相談したら森では手に入らない嗜好品がぶすじ......、理鶯さんは喜ばれると聞き及びましたので、ちょうどシンジュク・ディヴィジョンのオダキュウ百貨店で催事をしていたものですから、お酒を買ってきました。なにがお好みかわからなかったので、アメリカンビールの......バドワイザーを。大衆向けで、人気なんですよね。ビールはお飲みになりますか?」
「ああ、それは嬉しい。そうだ。今日は泊まっていくがいい。独歩も共に、共に戦ったライバルとして、バドワイザーで乾杯をしようではないか」
 にこにこと、理鶯は言う。しかし、家には一二三が帰りを待っているかもしれないし、と逡巡した独歩であったが、「銃兎や左馬刻以外の来訪者は久しぶりだから、貴殿が共に食卓を囲んでくれれば小官はとてもうれしいのだが」とまで言われてしまえば、どうにも断りづらく、独歩はすぐに一二三に外泊の連絡を入れた。すぐさまかわいらしい犬のスタンプとともに、りょ~! と短く返事が来たのを確認し、すまんと一言メッセージを返すと独歩は携帯端末ジャケットの内ポケットにしまった。

・・
「それでは、乾杯といこう」
「はい。乾杯」
 こつん、と独歩と理鶯はお互いのビール瓶をぶつけあう。
 日が暮れ始めたころ、ざわざわと木々が揺れる森のなか、ぱちぱちと火花がはじけるたき火に二人並んであたりながら、理鶯が腕によりをかけたという料理を独歩は馳走になった。どれもとてもおいしく、料理が得意と自称するだけある、と独歩は感心をした。
「これはカラスの丸焼き、イナゴの佃煮、オオスズメバチのカナッペだ」
「カラ......? イナ、えっ?」
 ぽと、と地面に食べかけの肉が地面に落ちる。今なんて? 独歩の思考は停止した。
「本当は、もっと豪華なモノを出せればよかったんだが、あいにく最近タランチュラが見つからなくてな」
「た、タランチュラ」
 理鶯の言葉に、独歩の理解が追いつかない。だが、そこはブラック企業の営業限界社畜をやっている独歩である。ぐるぐると頭を回転させ、おいしいからいいじゃないかと無理矢理自分を納得させた。すぐに理鶯に話を合わせ、「ハチの子は、ちょっとフニャっとしててびっくりしたんですけど、食べてると割と馴れますね。甘い豆腐みたいです」と言った。
 理鶯はたいそう喜んで、もっと食べるが良い、と独歩の皿にいろいろと盛った。もうなにがなにだかわかりやしないが、味はうまいことは確かなんだからもうどうでもいいと独歩は夢中で食べ、そしてやけになってビールをがぶがぶと飲んだ。土産にもってきたのに自分で飲むのはどうなんだとかもう言わないで欲しかった。止めるものもいなかった。
「独歩」
 声をかけられ、独歩はふわふわとした酩酊状態から半分覚醒した。ちょうど、理鶯が残飯を燃やしているところだった。
「もやしちゃうんですね?」
「ああ、熊がにおいを追って出てくると困る」
 そう言って、理鶯は全部燃やし尽くすと、馴れた手つきでたき火を消した。
「なんか、いろいろすいません」
「ああ、かまわない。小官も楽しませてもらった。ああ、服にも食べ物のにおいがついているから、干さないといけない。小官の着替えを貸すから、スーツとシャツ、スラックス、できれば下着も脱いでもらえるだろうか」
「あ、お世話になります。本当、なにからなにまで......」
「恐らく......いや、確実に小官のものだと大きいかもしれないが、我慢してもらえないだろうか?」
「ああ、はい! そのあたりはお構いなく! 大きくても平気です!」 
 今日は理鶯に感心しきりだ。街に生きるものとは全く違う。そんなことを独歩がおもいながらジャケットを脱ぎ、ストライプのシャツのボタンを外していると、理鶯は、テントからそろいの迷彩服を持ってきて、独歩に渡した。
 独歩は早速着替えたのだが、身長は頭ひとつぶん、体格に至っては厚みから肩幅までなにもかも違う。
「これは......、すごくみっともないですね......。はは......。おっさんの生足って......」
 腰回りが特にずるずるで、下着もはけない始末。結局独歩は上のミリタリージャケットしか着ることができなかった。しかも、ほぼ全裸にワンピースのような状態で、あまりの無様さに乾いた笑い声をあげることしかできなかった。
「うむ、大丈夫だ」
 なにが大丈夫なのか独歩にはわからなかったが、理鶯はそう言って、何度も頷いていた。まあ、大丈夫なら大丈夫か。一見神経質そうな雰囲気があるが、独歩はわりとそういうところはおおざっぱにいくほうだった。そうでもないと社畜なんかやってられない。酒がだいぶ入っていて、脳がうまく働いていないのも原因の一つだった。
 理鶯に招かれるまま、リッジテントの中に入って、独歩は敷かれた大きい封筒型のシュラフに驚く。理鶯に聞けば最近はマッド・トリガー・クルーの二人が宿泊することもあるので、ファミリー向けのものを左馬刻が持ち込むのだという。
「仲がいいんですね」
「『俺たちに裏切りはナシだ』なのでな」
 そう言いながら、理鶯はタンクにポンプをさし、しゅこしゅこと手で何度か押して、タライに水を出した。
「これで体を清めるといい。タオルもあるぞ」
「あ、なにもかも用意してもらって本当にすみません」
「いい。小官は世話を焼くのが好きだ」
 手押しの浄水器も、左馬刻が用意してくれたと語り、理鶯は体を拭く独歩のむき出しの足をもう一つの濡れタオルで拭きはじめた。
「理鶯さん、いや、それはいいですから」
 しゅっと独歩が足をミリタリージャケットのなかに引っ込めると、理鶯は残念そうな顔をした。残念がられても、そこまで世話を焼かれては独歩としても流石に気恥ずかしい。
 独歩が体を拭き終わると、理鶯も体を拭き始める。あらわになったはだかの背中は、独歩と違ってずいぶんたくましい。そして、ところどころに傷跡が見える。
 ほんとうにこのひとは、軍人なのだ、と独歩は眠気とアルコールの抜けきらない頭でぼんやり考えた。このひとは、人間同士の命のやりとりを知っている。それは遠い話のようで、思えばそんなに昔のことでもなかった。
 戦争の間、シェルターで生きていた何も知らない自分とは、違う生物。そういえば、この人は軍を復活させたいんだっけ、なんてことを思い出して。そんなことをしてどうするんだとか、だけどこのあまりにも生きにくい世界もクソッタレだからぶっ壊すのもありなんじゃないかとか、急にぐるぐると考えが巡って、だいたいそれは悪酔いのせいなんだけども、なんだか急に不安なここちになってしまった。
 それで、バカな独歩は荷物の中からついでに買っていたチューハイをぐいぐいやった。ぬるくてまずかったが、高い度数のアルコールがからだに染み渡ってにふわふわなって、それから、心に生まれた不安をぶち殺した。そうでもしないとやってられない。そういう世界だ、ここは。いつだって。
 独歩がぼんやりしていると、いつのまにか先にファミリー用のシェルフに入っていた理鶯が、ぽんぽんと自分の横に来いとマットを叩いていた。
「あ......、すいません。失礼します。隣が俺なんかで」
 へこへこと頭を下げて、独歩はそこにもぐりこんだ。理鶯がジッパーをジジジ、と閉める。隣り合った二人は、しばらく沈黙していたが、先に理鶯の方が口を開いた。
「眠れそうか?」
「......はは、知らない土地だとすこし緊張しますね」
 森のざわめきや、得体の知れない獣の鳴き声がテントの中まで聞こえてくる。酩酊した頭に、それはわんわんと響いて、なんかの警告音にも聞こえた。ああ、チューハイなんかのむんじゃなかったなあ、なんて考えながら、独歩はぼうっとテントの屋根部分をみていた。
 理鶯はそれを見て、すっと手を伸ばし、眠れずにいる独歩の痩せたからだを自分の方に抱き寄せた。え、と独歩が驚いて声をあげると、理鶯は平然と、「こうしたら眠れるだろう」とだけ言った。
 人の体温に触れるなど、いつぶりだろう、とまどろみのなか独歩は思った。独歩より筋肉量が多く、体温が高い理鶯はあたたかかった。こんなこと、幼なじみの一二三とだってしない。だのに、独歩はひどく安心をして、それから、人のぬくもりのやさしさを思い出せ......ればよかったのだけど、思い出したのは、いつか誰かとしたセックスのことだった。
「最悪すぎる......」
 独歩は、もうなんかアルコールで三センチくらい浮いている体と、理性の内閣が総辞職した頭でいや、きれいすぎる話など、今時童話にもない。というかグリム童話なんか出てくるのはクソ野郎ばかりだしな。と考えた。
 そこで、はた、と独歩は背中に当たる堅いモノに気づく。それがなにかすぐにわかって、心臓がはねる。跳ねたそれは口から飛んで残った理性をひっつかんでリオデジャネイロまで行った。きっと今頃俺の心臓は理性とカーニバルでダンスしてる。酔っ払いの頭は変なことばかり考えるものだ。
 好奇心で、独歩は寝息を立てる理鶯を起こさないよう身をよじって熱を持ったそれにふれる。ごくり、と独歩の喉が鳴った。

・・
 理鶯は、下半身の違和感を感じてハッと目が覚めた。元々軍人であり、少しの異変があれば対応できるように深く眠らないよう訓練されている理鶯であったから、すぐに身を起こそうと体を動かした。
「んぶッ!?!?」
 くぐもったうめき声が耳に入り、ばっとかけていた布団をめくると、今日の客人が理鶯の逸物をくわえているではないか。
「独歩、ハッ、貴殿は......なにを......?」
 理鶯が戸惑いを隠せないでいると、独歩は、ちゅぽんと口からペニスをはなした。「いや、あの......。その、理鶯さんの堅いのが背中に当たって、気になってなかなか眠れなくて......。抜けば大丈夫かと思って、手でしごいたんですけど、理鶯さん、なかなかイってくれなくて、それで」
「口淫を」
「はい......。すみません、ほんと。あの、俺なんかにこんなことされて気持ち悪いですよね冷静に考えると......。当たり前だよ畜生、なんでやっちゃったんだよ......」
 後悔先に立たず、である。ああどうしよう。なんでこんなことになったんだっけ、ああ絶対酒しこたま飲んで判断力が鈍ったせいだ。つまり100パーセント俺のせい。こればっかりは誰がどう見ても俺が悪い。理鶯の陰茎を見ながら、すいません理鶯さんのちんこ、俺なんかに寝込みを襲われて......、と独歩は謝罪した。
 もうここには来ることはできまい、独歩が覚悟を決めて、顔を上げてもう来ないので許してほしいと口にしようと開いた口は、あんぐりとあいたまま固まった。
 なぜなら、理鶯がいままで見たことのないような表情をしていたからだ。尽くすのが好きで、心優しい常の彼とは違い、獣の本能めいた、獲物を狙う狩人の表情をしていた。
 マリンブルーの瞳から放たれる力強い圧力と言うべきモノが、独歩の言葉を奪った。
「独歩」
 気のせいか、理鶯のバリトンボイスが、テントの中でやけにハウリングした。思ったより低い声が出たと、理鶯も自分で驚き、また自分自身の余裕のなさを思い知った。
「貴殿が煽ったんだ。独歩、大人ならば、自分で起こしたことの始末くらいは、できるだろう?」
 独歩が選べる言葉はひとつしかなかった。もちろん、サー・イェスサー、である。

・・
 独歩は、先ほども触ったばかりの理鶯のペニスに顔を近づけた。片手ではどうにも持ちきれないほどの剛直は、そこだけ別の生き物のようにびくびくと脈打っている。
 どこまでも優しい彼の、男の部分だけはひどく凶暴だ。日米ハーフだという理鶯の規格外のサイズのそれを、独歩はアイスキャンデーをなめるように舌を這わせた。
 ぺろぺろとなめて、余った手で竿の部分を擦る。すると、じわじわと先端から先走りがでてきて、理鶯のペニスを潤す独歩の唾液と混ざり合った。
「んむ、......ここは、どうですか? 気持ちがいいですか?」
 理鶯の反応が薄いと感じた独歩は、口をさらに下に下ろして、ちゅぷ、ちゅぷと、あめ玉を口の中で転がすように睾丸をなめしゃぶり、理鶯の様子を伺った。ぺたんとふせを命令された犬のようになって、グランドシートの上に座った理鶯の逸物を懸命にねぶる独歩には、どこか小動物じみたけなげさがあった。
「駄目ですか、俺、下手ですか?」
 理鶯が答えないでいると、心配そうに独歩は眉をハの字にして尋ねる。 
「いや、とても気持ちがいい」
 それこそ、これをずっと続けてもらってもかまわないほど、緩くて深い快感だった。けれど、射精に至るまでではない。
「よかった。理鶯さんが喜んでくれて......」
 体を起こした独歩はどこかほっとした様子で、口の端をくっと不器用にひきつらせた。それが本人なりの笑顔なのは、理鶯も今日さんざん見たので知っている。
 だが、残念ながら、ここで終わらせてやるつもりは理鶯にはなかった。それに、オーバーサイズの理鶯の迷彩ジャケットに覆われただけの独歩の下半身には、理鶯と同じようにこの先の期待に満ちた先走りが水たまりを作っていた。なめただけでこうなるものか、と理鶯は不思議な心地さえした。
「あ、でも、このままだと苦しいですよね」
 独歩は、ぱっくりと口をあけ、ぐぐぐ、とハーフゆえの長大な理鶯のペニスを三分の二ほど口におさめた。自分のモノが、のどのうねりに当たっているのを理鶯は感じて、ぐっと射精感が高まる。
「う、ぐ......、ん゛~~ッ」
 そのまま口をすぼめ、吸い付くようにして独歩はじゅこじゅこと奉仕を開始した。
「ん、んん゛ッ、ふぅ゛ッ......!」
 じゅぽ、だとかじゅぶ、だとか淫猥な音がテントの中を満たす。苦しいだろうに、独歩はどこか恍惚としたいやらしい顔をしてイラマチオを続けるものだから、苦しいのならやめてくれ、とは理鶯はとうてい言えなかった。
「すまない」
 理鶯は、一言謝罪すると、いよいよ最高潮に達しつつある射精感に任せて、奉仕をする男の赤毛をつかんでストロークした。ごりごりと、独歩の上あごが亀頭に擦れるのが気持ちがよかった。じゅわりと独歩の口内に唾液があふれ、いやらしい音はどんどん大きくなる。入りきらないそれは口の端からぼたぼたと垂れ流された。
「んごッ、ぐ、ん、んぶ......ッ! んん~~~~ッ!」 
 射精欲に頭を支配された理鶯に、独歩を気遣う理性は残っていなかった。どんな男でも、射精する瞬間はIQ2だとかなんとか。猛然とくりだされるピストンは食道に届くほどで、突入した亀頭はうねうねと動く喉の粘膜に歓迎された。
「む、どっぽ、もう、」
 限界がきたことを理鶯が伝えると、息も絶え絶えなはずの独歩は、そのままだしていいと言わんばかりにじゅうう、とバキュームのように吸い上げた。そんなことをされてはさすがの理鶯もひとたまりもなく、濃厚な一番搾りを独歩の口内へと注ぎ込んだ。
「ガ、ハッ、ハアッ......。げほ、ごほッ。はあ......」
 ぶちまけられた精液が、独歩のうすい唇の隙間からぼたぼたと流れおちる。ねっとりとした白いそれは、彼の口から覗く赤い舌に絡んでみだらなコントラストを見せていた。
「飲んだのか」
 そう聞けば、独歩はしっとりとした声で、「え、あ......。顔がよかったですか?」と変な方向に気を遣った返事をした。 
「いや、そうではなく......。つらくはなかったか?」
「あ、いや、大丈夫です! ごちそうさまです!」
「それに、貴殿のそれも苦しそうだ」
 迷彩服の裾で隠れている独歩の陰茎を理鶯が指せば、独歩は恥じるように裾を引っ張って隠した。そんなことをしても、服に不自然な濃いシミができている時点で彼が勃起しているのは明白であった。理鶯は、自分が奉仕してもらったのだから、次は自分の番だと独歩に告げる。
「自分ばかりでは、小官も立つ瀬がない」
「俺は、あの、その、えっと......。あっ、オナホ! オナホだと思っていただければいいので......! それに、理鶯さんのおっしゃってた不始末も片付けましたので、放っておいてくだされば」
「小官にも、礼をさせてほしいのだが。だめか?」
 子犬のようにしゅんとした態度をとられ、独歩は固まる。理鶯は191センチの大柄な男性ではあるが、どこかかわいらしいところがある。テリトリーバトルの前後や、今日一日過ごしてみて、彼が軍人にしては心優しく、飾り気のない素直な性格であることは独歩にもよくわかった。28歳と聞き及んでいるが、本当に自分と1歳しか年が違わないのか疑わしいほど、擦れていない。自分とは大違いだ、と独歩は思う。
 そんなうぶな青少年の面影をのこした彼に、だめかと聞かれて、駄目と言える大人がおろうか? いやいまい。たとえ、それが独歩の性処理がしたいという申し出だったとしても、だ。
「えっと、その。だめじゃないです。駄目じゃないんですけど、あの、その......。お恥ずかしながら、弊社の性機能は少々衰えておりまして、あの、前立腺を触っていただかないと、その......」
「つまり、後ろでなければイけないのだな」
「仰るとおりで......」
 なぜか後半かしこまった口調になりながら、だからどうかお気遣いなくという独歩の肩を理鶯はぐっと握って、そのままうつぶせになるように横倒しにした。
「心配しなくていい。心得はある。小官に任せろ」
 背中に降ってくるやけに頼もしい声に、いや任せろではないんですが!? と、心の中で泣きを入れながら、でもこれは完全に自分が引き起こしたことであるので、独歩はなすすべもなく白旗を振ったのだった。

・・
 理鶯は、独歩の不摂生によりほとんど肉のついていないぺらぺらの白い臀部を両手で押し広げる。自分から理鶯のモノをしゃぶるのは恥ずかしげもなくやったくせに、いざそこをさわられるとなると羞恥が伴うらしく、うつぶせになりオーバーサイズの迷彩服がずりさがって白い背中をさらした独歩は、低いうなり声をあげた。
「う~~~~、あ、あんまり見ないでください......」
 いやだと言われると、どうにもやりたくなってしまうのが人間のさがというもので、理鶯が黙って晒された肉の陥没した部分を見ていると、そこは男をほしがるようにひくひくと誘う動きをした。
 アナルセックスをしたのはいつぶりだろうか、と理鶯は考える。軍だと『そういうこと』は普通にあるし、長く続く航海の間、性嗜好がどうであれ性処理の為に抜いたり抜かれたりなんてこともしばしばだ。元々世話好きなところのある理鶯は、部下に抱いてくれと言われたら抱いてやっていたので経験がないわけではない。さすがに尻を貸すまではなかったが。
 しかし、軍にいたわけでもない彼が、経験があるとは。「貴殿は、性嗜好がこっちなのか?」
「へ? あ、いや、あの......、ええと、あの」
 独歩は急にしどろもどろになって、お茶を濁すような態度をとった。聞かれたくないのだろうと思った理鶯は、そのまま黙って自分の唾液でぬめった指で、尻穴のしわを伸ばすようにくるくると動かす。どうもよくよく使い込まれているようで、三十路近い彼の淫穴は、理鶯の太く骨張った指を一本、二本とおいしそうに平らげていった。
 独歩は自分の尻穴がやわらかいことにすっかり恥じ入って、うううと泣き声のようなうめきをあげる。きっと自分はとんだ遊び人だと呆れられているに違いないと、被害妄想ばかりがむくむくとふくらむ。
「熱い......。きつくないか?」
「あ、はい、もう一本入れてもたぶん、大丈夫です......」
 独歩は異性愛者であると同時に同性愛者であったが、性交渉の体験は数えるほどしかなく、相手とセックスまでいったとしても、どうしても恋人同士のふれあいというものに馴染めなかった。それは独りで歩くという名前の通りに孤独を運命づけられており、他人の体温に臆病だったからかもしれないし、独歩自身のパーソナルスペースが極端なまでに広かったからかもしれない。というのも、独歩には一度だって小学生の時分からの友人一二三以外に友人と呼べる相手ができなかったほどなので。
 独歩には、男も女も皆、自分を心のどこかでバカにしていて、好きだと口では言っていても裏では汚いモノを扱うように思っているのだ、というあまりにも過剰といえる被害者意識を持っていた。セックスをするのだってきっと自分が都合のいい相手だからで、それはディルドやオナホールで自慰をするのと変わりがないと思い込んでいたモノだから、交際相手に振られるのも当然だった。低い自己評価は、最初は同情をかうかもしれないが、独歩のレベルまでひどいとかえって呆れの方が先に立つ。となるとひとりで慰める能力ばかりが上がってしまうのも当然だった。そういうわけで、独歩は齢29にしてやたらテクニックのあるド素人アナニストになってしまったのだった。
 そんなこと言えるかいド畜生、というのが独歩の主張であり、最後のプライドだった。よく考えなくても、酒の勢いでさほど親しいとは言えない相手のチンポを無断でなめしゃぶったあげくにアナルセックスをしようとしている時点で張る見栄もなんにもないのだが、9パーセントアルコールでひたひたになり脳細胞の働きもゼロになったバカあたまは、そんなことよりも「じらさないでいれてほしい」と言うことばかり考えていた。
「もう三本はいったぞ、独歩」
 すごいな、と新種のいきものを前にしたこどものように理鶯がいうので、もう恥ずかしさのあまりなにがなんだかわからなくなって、「はあ、あの、そんなに、まじまじ見ないでください......。本当に、理鶯さん。お願いですから......」と腰をよじらせた。
 いやがるそぶりを見せる独歩の言葉とは裏腹に、後孔は久々に訪れた他人に喜びの涙をながし、ばらばらに動く理鶯の太くしろい指にきゅうきゅうとまとわりついて甘えた。
「あ、あッ! 理鶯さ、そこッ! ンッ!」
 理鶯は中に誘われるまま、独歩のやわいところを次々と刺激した。前立腺はどこだろうか、と考えながらまさぐっていると、あるとき独歩が悲鳴のような喘ぎ声をあげた。
「ここか」
「んぁぐっ! あ、うっ、まって、そんな、きゅうにいいいッ!?」
 きつくしまった中の浅いところで、理鶯がぐ、ぐ、と指を肉壁に押し込むように強く曲げると、独歩は快楽の色に染まった吐息を漏らし、触ってもいない陰茎は洪水のようにカウパー液を垂れ流した。前立腺をぐいぐいと押されるたび頭が真っ白になり、はあはあと舌をだらしなく出して呼吸をした。
「大丈夫か? 射精はしていないみたいだが」
「あ、あの、り......、お、さん。ぜんりつせ、あんまり強くはきつ......。俺、一度イくと、ずっときもちよくて、しんど、あ゛~~~~......。はあ、う......、あ......まだイってる......」
「触らない方がいいのか?」
 理鶯は指を動かすのをやめ、独歩の返事をじっと待った。じれったい、と独歩は唸る。理鶯は優しい。すこぶる優しい。しんどい、という独歩の言葉を字面通りに受け取って、待ってくれるくらい。確かに射精しない絶頂は長く続くし、ずっと責められば体が持たないのも本当。けれど、もう独歩はそんなことより、ペニスが欲しくてたまらない。
 もはや独歩の肉壺はいつでも男を受け入れる準備はできていると、入れてほしいと言っているのに、理鶯は奉仕することばかりで、そのデカマラを突っ込むなど考えもしない。しばらく、う゛~、と喉を鳴らしていた独歩だったが、こうなりゃ恥も外聞もないこんにゃろめ、と心を決めて上半身をそらして、理鶯の陰茎に触れた。
「っ! 独歩」
「あの、理鶯さん......。もう、もうください、理鶯さんだって、きついですよね。一緒に気持ちよくなったら、たぶん合理的だと、俺思うんです」
「しかし、貴殿に傷がついたら困る」
「うう、だから! 俺が欲しいんです......ッ!!」
 やけになって独歩が叫べば、理鶯はごくりと喉を鳴らした。痛めつけるようなことはしたくないが、求められているとなれば、どうにもできない。おそるおそる、理鶯の巨大な砲身が、ぴたりと独歩の性器と化した肛門に当てられる。どきどきと期待で独歩の胸が高鳴る。あの大きなモノが、はいるのだと思うと、口の中が乾いて仕方がなかった。
 独歩の雌孔も、はくはくと口を開閉させて、理鶯の肉棒の侵入を待ちわびてキスをした。
「はあっ、りお、さん! あつ、あ、あついですっ......! あ゛すご、おおき......っ......」
「すまない、まだすこししか入って、ない」
「う、すご、ごりごっり、する......ッ、あ、ひ、んん~~~ッ! またいくっ、くるッ」
 理鶯の堅くそそり立ったペニスが、肉路にぐぶ、ぐぶ、と段階的にしずむと、そのたびに自動的にそり返しの大きい雁首が肉壁を容赦なくえぐり、太い幹はみちみちと圧迫し、前立腺といわず精嚢といわず、直腸内全体が蹂躙された。
「は、ああっ、う、理鶯さん、あふ、あ、すごい、ぜったいバカになってまひゅって、これ、、あっ、なか削れるっ! ほんとのオナホになるっ、ぜったい開きっぱなしのバカあなるになるッ」
 普段の陰気さからは考えられないような、卑猥な言葉を口にして、独歩はがくがくと背を反らした。口からたらたらと粘ついた唾液をたらし、舌をつきだしよがる独歩をあやすように、理鶯は大きな手のひらで骨の浮いた独歩のからだをなぞった。生命力の感じられないからだだ、と理鶯は思う。しかし、それがなぜだか興奮を煽った。
「ひッ、まっ、そこッ」
 ジャケットごしに胸に触れると、まだ一度も触られていない先端が腫れて膨らんでいるのがわかる。そのままシャツごしに指先できゅうとつまむと、独歩は艶めかしい声をはりあげた。そのまま腰をすすめれば、内部の動きが先より複雑になって、うねうねと理鶯の陰茎にきつく絡みついた。
「んうッ! 同時は、ずるッ! あひ、じんじんするから、へあっ、りお、さっ! ~~~ッ!!」
「く、うッ!」
 そのまま理鶯が、独歩の快楽のスイッチになっている突起をつまむ力を強めると、肉の隘路が更に締め付けを強くし、まだ半分ほどしか入っていない理鶯の陰茎の、亀頭部分を強く抱きしめた。強い刺激に、理鶯は歯を食いしばって、今日1発目の熱いザーメンをどくどくと独歩の直腸内に勢いよく迸らせた。
「ほ、イ゛ッ、い、ん~~~~~ッ! あ、あづッ! りお、さんの、せーえき、俺ンなかに出てる......ッ」
 理鶯が達するのと同時に、触られないままだった独歩の陰茎からプシュ、と透明な液体が噴出した。潮だ。射精より先に潮を噴くだなんて、本当に男性器は機能しているのだろうか、と理鶯は射精により少し冴えた頭で考える。
「はは、理鶯さん、俺なんかの腹でだしちゃった......」
 独歩はなにがおかしいのか、フフ、と笑い声を漏らして、大きく胸を上下させ深呼吸をしていた。
「理鶯さん。俺で......、俺なんかで気持ちよくなってくれてありがとうございます。ふへ」
 はあはあと息をしながら、独歩はマゼンタとシアンがとろけて混ざり合った目で理鶯を見た。理鶯は、腰をかがめてうつぶせの独歩の頭をなでようとして、そういえば未だつながったままだと気づく。
「ッあ!」
「う、っ」
 ぐちゅ、と精液のぬめりを借りて、まだ半分ほどしか肉鞘に収まっていなかった理鶯の刀身が、その拍子に中にずるりと入り込んだ。ほぼ根元まで入りきったそれは、独歩のぺたんこの腹を押し上げてぽこりと膨らみを形作っていた。
「うっそだろ......、すっげ......。あ゛、はひゅ、うっ、おなか圧迫されて、やぶれそ」
 独歩は、すりすりと、なかのモノを確かめるようにグラウンドシートと腹部の隙間に手をやってさする。「やば、まじか。入ってる」
 はは、と上の空状態で笑う独歩の腰をつかみ直して、理鶯はぐ、ぐ、と独歩のからだごと持ち上げるような仕草で、さらに奥へ奥へと隘路を突き進んでいった。そして、ぴたりとすべてをおさめると、理鶯は独歩に気を遣って、中が理鶯のかたちに完全になじむのをゆっくりと待った。
「平気か?」
「あ、あ......。これ、じわじわくる、へんになる、りおう、さん......」
 理鶯がじわりと額ににじむ汗をぬぐいながら呼びかけると、どろどろに溶けた表情になった独歩が、なんとか首をよじって後ろをかえりみた。
「苦しいなら、今すぐ抜いても......」
「あ゛~~~~! もう!」
 がう、と独歩が吠える。とんだやぶへびに、理鶯が目をぱちくりとしていると、ううううううと今度は唸った。
「もう、そういうのいいっつの......。優しくすんのやめて、あんたの好きなように動いてくださいよ......。こっちはもう寸止めされっぱなしで死にそうなんだ、この遅漏......理性おばけ......理鶯さんのバカ......めちゃくちゃにしてくれていいのに......」
 ぶつぶつと文句を言う独歩に、理鶯は目を丸くする。それから、きゅっとマリンブルーを細めた。理鶯は尽くすのが好きだ。もちろん、この期待にも応えなければいけない。
「あ、ひぐッ!? ッあ゛! や゛ッ、ほッ、イグッ、う、あ~~~~~~ッ!」
 まるでそれは、体を貫かれるような衝撃だった。そこは抜けまいと思われた奥の弁をまりまりと突き抜けた理鶯の陰茎の雁首が、激しいピストン運動でそこをでたり入ったりすると、そのたびに電撃のような快楽がびりびりと背中から脳髄にかけてひた走った。
 あ、これシャレにならんやつ。そう思ってももう時すでに遅し。独歩はそのすさまじいまでの快楽に、ひと突きされるたび悲鳴のようにも聞こえる声を張り上げた。
「あ、あ、死ぬっ、ああッ! 落ちる! ヒッ、ぐ、すごい、おれ、りおうさんので、しぬ、ころされるッ」
 パン、パンと独歩の薄い尻を打ち鳴らして、理鶯ははらの奥の奥まで犯していく。結腸の弁を超えた先の柔い肉が、男の侵入を歓迎するようにうねり甘える。しぬ、と繰り返す独歩を力強く腕に抱き、理鶯は彼を抱き起こす。
「~~~~~ッ!!!!」
 独歩の悲鳴はもはや声にならなかった。すとんと理鶯の膝に座らされた独歩は、獣の体位の時よりもさらに深く理鶯を受け入れた。やらかいそこに、理鶯の精液が注がれる。もうどこがいきどまりなのかもわからない。終わりの見えない絶頂に次ぐ絶頂に、独歩の中枢神経はどろどろにとけて甘ったるいミルクチョコレートになった。
「は、はへ......、りお、さ......」
 もう独歩にはひとかけらほどの理性さえもありやしなかった。ふわふわと甘いセロトニンの海で、ただただ快楽の波に流されている漂流者に近かった。喜悦に震え、だらしなく理鶯の胸に背中を預ける。独歩は、そのままくたりと気をやってしまった。
 理鶯は、腕の中で気絶している独歩を抱えると、濡れタオルですっかりぬぐってやって、その額に軽く口をつけた。そういえばキスをしていない、と思ったからだ。
 明日、朝になって、彼の目が覚めたら。キスをしても良いか聞かなければならない。理鶯は浄水器のポンプを動かしながら、そんなことを考えた。


おわり

 

あとがき
完全にBLっていうよりフランス書院~~~~~~~ッ!!!!!!(でかい声)

ここまで書いて恋人同士にしときゃよかったとめっちゃ後悔している。いや酒の勢いセックスにするにはねちこすぎた。ごめんね。あとりおちゃん射精2回しかしとらんね。ごめんね。最後まで読んでくれてありがとうございました。

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