異次元格闘技 VSメイド
(いちどぽ ゴミのようなあらすじ ケンカしながらクソオタクとバカ会社員がコスプレえっち。顔面騎乗のバキュームフェラで調子にのったアホメイドっぽを生ハメらぶらぶせっくす調教。勢いだけはいい。)
「コスプレっていうのはさ、俺的には一つの原作愛の表現方法で、好きだからやるもんで。まあ公式イベントのコンパニオンさんとかは仕事でやるんだけど、できるだけキャラのこと知ってくれようとしてたりして。まあリスペクトみたいなもんがあるわけ。コスプレってのは手段じゃなくて目的なんだよ。そのキャラになりきって、自分の妄想を三次元に呼び出すんだよな。自分の部屋に推しキャラがいたら誰だって死ぬ。萌えで。それが自分だとしてもさあ、いいんだよ。妄想で補うから。でもさあ、やっぱノリでやられると嫌っつーか。確かに俺は、らいむちゃんが好きだし、薄い本とかも確かに買ってる。正直スケベがしてえ。そこは二次元の嫁は別ってことで許して欲しい。でさあ、まあ、俺はらいむ推しだしエロ本も持ってる。だけどさあ、俺は別に独歩さんにそれしてほしいっていうわけじゃないっていうか、正直なにもしらねえヤツにらいむの格好してほしくないっていうか。めんどくせえオタクでマジで悪いんだけどほんと俺さあ、そういうのは許せねえんだよな......」
一郎は、自室に入るなり、待っていた独歩を正座させると、ものすごい早口でほぼほぼ一般人には理解が及ばないようなことを語り説教をした。
独歩は、がみがみと説教を続けるクソオタクと化した一郎に怒られながら、ただのメイド服を着たコスプレアラサー男の自分を俯瞰して、ああ、俺はまた間違えた、調子にのったのだ、と浅はかな自分を呪った。正直もう脱ぎたい。というか死にたい。相手が喜ぶかと思って恥を忍んで着た衣装(しかもネットでわざわざ取り寄せたものだ)をさんざディスられたら、誰だってそうなる。しかも独歩がしているのはラノベのキャラの服装なのである。死にたさ倍増である。
「らいむへのリスペクトがまず感じられねえんだよ。知らねえジャンルのよく知らねえキャラのコスとかほんと許せねえんだよな。いやお前なんのためにしてんだよみたいなさあ」
山田一郎は観音坂独歩が思っているより面倒臭かった。齢二十九の別にオタクでもなんでもない会社員である独歩は知りもしなかったのだが、そもそもオタクという生き物はめちゃくちゃめんどくさいのである。時には愛が暴走し原作と解釈違いとかいう矛盾したことを叫んだりするし、行間の深読みのしすぎで腹を下したりするし、推しイベのときはイベント内容で殴られて寝込むことを予測して長期休暇をとったりするレベルで常人には理解しがたい面を持つ人類なのだ。
「な、なんのためにって......。一郎くん、こういうの好きなのかな......って思っただけだから、ほんとにごめん。今すぐ脱ぐからちょっと待ってほしい。俺だってこの格好したくてしてるわけじゃなくて」
「だからあ、そういうのが駄目なんだよ独歩さん!」
「くそ、俺だって我慢してたのに! なに上から目線で説教してんだよガキ! 君が二次元キャラで抜いてるなんて腹立つに決まってんだろバカ、一生薄い本で抜いてろキモオタク!」
独歩は、そこで我慢できなくなり、かぶっていたピンク色のウィッグを投げつけると、ほぼほぼやけくそになってそう叫んだ。(これは山田家じゅうに聞こえ、二郎はあまりのことにコーラを噴き出し、三郎は声もだせずただただ死んだ目をした)
そしてぶつぶつ呟きながら、人を殺しそうな目つきでベッドの上にたたんで置いていたいつものスーツ一式をかき抱く。「ああ、終わった。フラれる。二次元に負ける俺......。今日はオムライスがいい。ひふみぃ......。フラれたからしまってある酒出しといてくれ......」
脳内の「どっぽちんどんまい!」と肩をたたく笑顔の幼なじみに語りかけながら、独歩はふらふらと衣装のエプロンのちょうちょう結びを外す。二十九にしてはじめてできた恋人が十も年下で、しかもフラれるきっかけがメイド服って情けなさすぎて泣けてくる。
これに慌てたのはさっきまで高尚に持論を振りかざして一般人の恋人をたこ殴りにしていた一郎である。クソオタクの彼は今やっと、これは別れる流れだと気づいたのだ。正直二人ともバカである。この部屋には今バカしかいなかった。
「あっ、独歩さんこれはその」
「いいんだよ一郎くん。俺が悪いんだこればっかりは。そもそもメイド服着て喜ぶって思った調子のいい俺が......オタクって難しいね......。ってかアラサーが女装っていう時点で無理なのなんで気づかなかったんだ? 調子に乗って毛の処理までして女もののパンツまではいてる俺は......なんなんだ......よく分からん......ただのキモいおっさんじゃないか......助けてくれひふみ......」
一郎は焦った。三郎に時たま言われる、「いち兄にはたまについていけないです」という言葉がよぎる。そうなのだ、オタクはそもそも【理解しがたい】人種なのである。なんかちょっとオープンになってきた昨今、ちょっと調子に乗ってしまうが、普通とはやっぱり違うのがオタクなのだ。二次元でシコるなんてキモいと思われても仕方がないとこはちょっとくらいはあるのである。
「あ~~~~、独歩さん......。あの、その、俺」
「いや、ごめんねほんと......。キモいのは俺だよね。はは、着替えて帰るからちょっと待って......」
「いや独歩さんはキモくないっす! 俺が前見えなくなってたっていうか、あの、ちょっといいすか」
「もういいよ、いいよフォローは......。もう俺がキモおじさんということは確定事項なんだ......」
やばい、これは確実に別れる流れだ。すでに砂になって消えそうになっている独歩のスカートの裾を一郎は握って必死に引き留めた。「あの!」
「なに、だからもういいだろ......。着替えさせてくれ、俺はもう、死にたい......帰ってひふみのオムライスにケチャップでうさぎさんを描いてもらう......」
完全に要介護成人になってしまった独歩はうつろな目で元恋人・一郎を見た。なんとしてもここで一郎は、独歩にフラれるのを回避しなければならない、という気持ちでぐるぐるとのうみそを回転させたが、元The Dirty Dawgのメンバーの神的脳みそはどこへやら、気の利いた言葉一つ浮かばない。しかし、ここでなにも言えず帰してしまったら完全に攻略失敗で、バッドエンド真っ逆さまの絶望ルート。混乱した一郎はとにかくなにか言わねば、と口を開いた。
「あの、下、おんなもんって......ほんとっすか......?」
「は?」
俺は性欲魔人か? 一郎は自分の素直な口に激怒した。いや、確かにそこは気になっていたところであるけれども、しかしながら、それは流石にない。これはもうだめだ、視界に、最近二郎がはまっているゲームの死亡画面が浮かんだ。赤い文字ででかく「草」と描かれている視界に、一郎は涙した。どこまでも一郎はオタクだった。それはMODだ。
しかし、独歩も、アホだった。まだ自分に、一郎が性的欲求を抱いてくれている、と独歩のクソバカ脳みその中で祝福のファンファーレが鳴った。もうセックスしかない。これはもう、セックスしかないと独歩は思った。大事なことなので二度くらい思った。がんばれ独歩君、とホストモードの一二三が脳内で励ましてくれた。一二三、ありがとう、俺、頑張るよ、と常にない前向きさを見せて独歩は、このことなど全く知らないであろう幼なじみに勝手に語りかけた。独歩は少し咳払いをすると、「み、見る......?」とわざとらしくロングのスカートをぎりぎりまでたくし上げる。頑張れ俺の足! サイハイソックスで包まれた三十間近のただの男の足よ! もう必死であった。
「み、みたい、です......」
ごくり、と一郎は喉を鳴らしてそう答えた。独歩は震える声で言う。「じゃあ、セックス、しよっか」
バカとバカは思った。勝った! なににかはもう分からなかった。
・・
「ねえ、一郎くん......。あんなにお説教してたのに、君もうこんなじゃないか」
ベッドに寝転んだ一郎の股に顔を埋め、屹立したチンコをしろい手袋をはめた手で、しゅこしゅこと独歩はしごく。スカートの中に顔を突っ込んだ状態――いわゆるシックスナインの格好で、顔面騎乗された一郎は、文句も言えずにふうふうと苦しげに女性モノのパンツのクロッチ付近で呼吸する。怒っている態度を見せる独歩は、パンツを見せるとか見せないとかもうそういう域ではないレベルで体重を一郎の顔にかけており、一郎は独歩のうすい尻肉で圧迫死しそうになっていた。
「俺にさんざん怒ってたくせに、メイド服着たおっさんのケツに興奮してるんじゃないか。やらしい。最低だな一郎くん......、君の二次元嫁が泣いてるぞ」
ぐ、ぐ、と尻を一郎の顔面に押しつけて、独歩は罵る。一方的に説教したという負い目で年上の恋人に完全にもてあそばれている一郎は、それでもふぐ、だとか、うう、だとか、文句を言ったが、独歩は無視をした。
独歩はそのまま先走りでぬとぬとになった一郎のチンポを、ぱっくり開いた大きな口で呑み込む。あたたかい口内で、包み込むように喉奥までフェラチオをされるとたまらなく気持ちが良い。一郎は、いまごろとんでもないどや顔をしているであろう独歩の顔が見えないのを少し悔しいと思った。
「んッ、ふっ、ンンンンっ、ううっ......ん?」
「ん、ぷは。一郎くん、だめだろ。こんなんでイったら絶対許さないからな」
じゅぽじゅぽ、と激しくバキュームされ、異次元かとも思われるほどの挿入感に一郎はあっけなくイきそうになるも、イくのを察知した独歩は口からチンポを外して笑った。
「あはは、あ? う、あッ、なにっ。いちろ、ッ」
射精を我慢させられた一郎はくそ、と悔しくなって、じゅうう、と独歩の尻をなめ回した。顔に乗っかるというのは、弱点を晒しているということだ、ということに詰めが甘い独歩は思い至らなかったらしい。パンツのシルクごしに舌で穴を責め立てると、簡単にべしゃりと前のめりになり、腰を上げた。
「あっ、バカ! 一郎くんのバカ、だめだって。そこだめっ」
「ぷ、はあっ......、やっと息できた。独歩さん......、俺ばっか悪いわけじゃないんスから、あんま調子乗ってっと俺もマジに怒りますよ」
「バカ、バカオタクッ。二次元に浮気してる分際でえっ! あっ、クソっ、なめたらだめだって、このっ」
自由な両手で怒る独歩をを横倒しにし、一郎は馬乗りになる。「あ~、やっとちゃんと見えた......。独歩さんだってガチガチにして、パンツからちんこはみでてるじゃないっすか。えっろ......。剃ったのほんとだったんですね。見せてくんないかと思いました」
「いうな、恥ずかしいっ」
「はずかしいカッコしてるの独歩さんじゃないですか。メイドのコスして、さんざん俺にエロいことしやがって。淫乱メイド」
「メイドごっこは嫌だったんじゃないのかよ。コスプレへの操立ては?」
「いや、思ったんスけど、全然オタクじゃない独歩さんが、わざわざ調べて本気でセックスしたいってこれ着たんだなって思うと、シチュ萌えしますね」
「あ~、俺なんか損した。ぜったい損した」
ふてくされる独歩に、一郎はキスをした。一郎は、唾液を絡めるように、舌で独歩の口内を蹂躙する。普段よりがっついてるな、と独歩は思いながら、激しい責めにどろどろになってゆく。全身がほてり、きゅんと腹のなかがうずいた。一郎は激しく舌を絡めながら、独歩のブラウスのボタンを外していく。あっという間にメイド服のコルセットの上だけ、つまりあばらの浮いた胸部だけが外気に晒された。
「ん、ちゅ、あっ、はあっ、胸さわってもあんま良いことない、けど」
「ううん。いや、そうでもないですよ。独歩さん、乳首すきだろ」
ぎゅう、とない肉を親指と人差し指で絞るように集めると、一郎は先端をぐにぐにといじる。
「あっ......、すきだけどっ。いちろうく、様......は、楽しくないでしょう?」
「あ、やってくれるんだ。独歩さんノリいいっすよね」
「だって。一郎さま、がっ、お好きだと思ったからっ、おれっ、にじげんにまけたくなっあっ、さきっぽばっかりっ、はあっ、ンンッ! ずりずりもだめっ、俺、気持ちよくなってっ、イきたい......、イきたくなっちゃうからぁ」
「気持ちよくなっていいですよ。でも、俺、最初寸止めされたの許してないんで、ちゃんとご奉仕できるまで前は触んないからな。調子乗ったメイドにはお仕置きしないと」
あくまでメイドプレイをやるつもりの独歩は、頑固に初志貫徹の意思をみせる。その気でなかった一郎も、シチュエーションを持ってこられると意外とクるものがあり、とろんとした顔で、期待した目で一郎を見る独歩にあわせてやる。
「あっ......。ご、奉仕しますからっ。もう、独歩のけつまんこ、あつあつで、一郎様にハメていただくのまってるからっ。はやくほじくりまわしてっ、一郎さま専用のオナホメイドにしてくださいっ」
「どうしようかな......。ってか独歩さんぶっとんでんないつもより。えっろ......」
どんなエロ本読んだ......って俺のか、と一郎はため息をついて、ずりずりと尻に屹立したものをすりつける。それだけであっ、と独歩声を漏らした。「じゃあ、奥までいっきに入れてあげますね」
「ちょ、まって、言ったけど。言ったけどそうじゃなくてえっ。そういうアレでほんとにあの、一郎くんっ、だめだめだめ、イくからあ~っ、今入れられたら絶対イく......! あっ、あっ、お、おんッ――ッ!!!!」
ずぶうっと十九歳の若い生ちんぽを奥までハメられ、尻でイくことを覚えた独歩の体は感嘆に達してしまった。イッた直腸は完璧に一郎のオスの象徴に媚びる穴となり、きゅうきゅうとひだのひとつひとつすべてで一郎に奉仕した。
「あ~っ、あー、だめっだって、いったのにいっ、お゛っふ、あ゛っ~~~~」
「きっつ......! ふうっ、すっご、とまんね」
「ふーっ、あっ、あ、あ、あうっ、おうっ、ッ!」
がつがつと荒々しくピストンをされ、独歩は奥を突かれるたびにあられもなく声をあげた。チンポでケツを掘られるのがこんなに気持ちいいだなんて、一郎とつきあわなければ知らなかっただろう。
「ん、出るっ」
「は、あ~、だして、ナカに性欲ぶちまけてっ。しあわせだからっ、メイドはあっ、あ、あっだめ、無理、出てるッ、はあッあ~~~~っ」
ナカにどぴゅどぴゅと健康な青年の精子をだされ、独歩は喜悦に震えた。二次元に勝った、勝ったぞ、と謎の達成感と共に、独歩は一郎をぎゅうと抱きしめ、キスをした。
「はあ、俺の勝ち......。二次元くそったれ、はあっ」
勝負もくそもないんだけどな、と一郎は思いつつ、普段自己主張しない恋人の嫉妬がかわいくて、「もう一回、メイドとかいいんで、あんたのままでしましょ」と言った。
あとがき
もうなにから謝ればいいのか全くわからん