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さよなら純情

(要素・レイプ。アナルパール使用あり。サーヴァントなのにエロ同人なのでアナルパールに大便がつく表現があります。挿入なし。ひたすら報われない。シェイクスピアの絆がそんなに深まってない段階で好きになってしまい、焦るぐだおくん。)


 好きだ、と思ったのはいつのことだったか。召喚してひとめで好きになってしまったのか、それとも一緒に特異点をかけていくうちに情が芽生えたのか。覚えてないけれど、好きなところはたくさんある。いろんなことに興味津々なこどものようなところ。そのくせ、たまに成熟した大人の顔をするところ。
 サーヴァントとマスターだとか、英霊と人間だとか、そういうことはどうでもよかった。ただ、俺はひとりの青少年として、シェイクスピアのことが好きだと、そういう思いだけを胸に抱いていた。
 けれど、シェイクスピアに好きと伝えても、彼はのらくらとまともな返事をせず、面白がるばかりだった。
「ああ、なんということでしょう! 吾輩を、好きと仰有るだなんて! 恋愛の意味で!」
 大仰な仕草で、どうかんがえても『ネタ』としか捉えていない反応をとる。俺が本気だというのを分かっていながら、冗談めかして相手にしないのだ。
 そうやって、相手にする気なんか毛頭ないくせ、シェイクスピアは俺の気持ちを煽るようなことをわざとしてくる。わざと身を寄せてみたり、「親愛です」とほほにキスをしたり。それは彼が彼である故に持つ好奇心のせいであり、『おもしろい』から泳がせておこうというシェイクスピアにとって当然の帰結だった。
 俺はシェイクスピアにとって新種の生き物で、シェイクスピアはそれに餌をやってうごくさまを物珍しげに見る観察者だった。最低だ。人間のクズだ。
 いくらシェイクスピアの人間性が最低で、そのてのひらの上でつつかれるちっぽけな人間でしかない俺がどれだけ無様でも、それでも俺はシェイクスピアを諦められなかった。
 だって、好きなのだ。どうしたって。彼のことが。
 シェイクスピアが好きだ。どうしても、俺は彼をものにしたかった。でも、シェイクスピアが『サーヴァント、キャスターのシェイクスピア』である限り、それは無理だと俺は分かっていた。俺は彼にとっておもしろい物語の主人公で、彼はそれをプロデュースする作家。おもしろくなければ、あきられてしまうだろう。
 俺はそれが怖かった。それに、シェイクスピアはサーヴァントで、俺は人間。いつかは離れてしまう。その事実も、俺を焦らせた。
 シェイクスピアをものにしたい。俺を好きだと言わせたい。
 もうそれが、どんな手段でも構わないと思った。


・・


「ああ、マシュ。シェイクスピアを見たら、マイルームに来るよう言ってくれる? あはは、いや、マッサージでも、してやろうかなって」


・・


「あんんっ! んぁぁあっ......ぁあっぁあっ」
 マイルームに、嬌声が響く。備え付けのベッドの上で、まな板のうえの魚のようにびくびくと体を震わせる半裸のシェイクスピアを、俺はそのそばでじっと見ていた。
「ねえ、おじさん。気持ちいい? もうここ、ローションでヌチャヌチャだよ」
 円を描くように尻穴のふちをさわったり、とんとんと叩くようにマッサージするだけなのに、シェイクスピアの熟れたからだは深く感じ入っているようだった。
 生前に男性と関係をもっていたなんて話もあるから、つまりは『そういうこと』なんだろう。
「ねえおじさん、なんでマッサージだけでこんなことになってるの? 変態なの?」
 俺が変態、と言うと、触れていた尻穴がひくひくとすいつくように収縮した。期待されている、と思う。
「あ、ふっ......、はあッ! あ、あ、あ」
 少しずつ、ゆっくりと指を挿れていくと、パクパクと食べるように根元まで呑み込んでしまった。ゆっくりとピストンさせたり、やわらかくてあたたかい内部の壁をぐいぐいと押すと、断続的なあえぎがこぼれた。
「淫乱」
 好きな相手が淫乱な使用済みだったというショックが、俺の行動をエスカレートさせる。
 パシン、と軽く空いた手で尻タブをたたくと、ひん、とまるでAV女優みたいな声を出す。
「ま、マッサージっていうから、来てみれば、なにをするのです、ますた、あ、やめっ」
「馬鹿だな。これもマッサージみたいなもんだろ」
 上半身の服を身につけたまま、気に入りのスカーフで手を後ろ手に縛られ下半身は丸出し。そんな恥かしい格好で、シェイクスピアは俺の愛撫を受けている。
 好きでもない、からかって遊んでいただけのおもちゃ(マスター)に、こんなことをされてヨガっている姿が馬鹿みたいだった。
 『そういう』対象ではない俺にこんなことされてこんなになっているんだから、俺じゃなくたって――――たとえば、そのへんの野良犬にでも犯されたって喜ぶんだ、このサーヴァントは。
 そう思えて、泣きそうな気持ちで俺はめちゃくちゃに手を動かした。
「あっ、ダメっ、ああああっ、あっあっあぅ!」
 前立腺をぐりぐり擦ると、刺激に耐えきれずに前からごぷごぷと白濁した精液が出た。
「なに、後ろだけでイッてるの。駄目じゃないじゃん」
 じゅぽん、と指を引き抜くと、腸液でべちゃべちゃに濡れた穴がはくはくと埋めるものを求めて開閉しているのが見えた。
「は、はあ、はっ、ま、マスター......。呼び出したかと思えば、何を......」
 シェイクスピアは、はあはあと息を切らして、そんなことを言った。だからマッサージって言ってるじゃんと返せば、こんなのマッサージではありません! と至極当然のことを返された。涙目になって文句を言うのが、とてつもなくかわいかった。非合意でないのが残念なくらいに。
「何って、こうまでして分からないわけないだろ。俺は、こうしたいくらい、シェイクスピアのことが好きなんだ」
「強姦は、はあ......ッ、犯罪ですぞ」
「犯罪? だから、『犯罪を犯してもいいくらい』お前のことが好きなんだよ。シェイクスピア」
 面白いだろ? 耳元に囁くように言えば、シェイクスピアはぶるりと震えた。いつものような軽口はなかった。ただ、「お止めください、マスター」と細い声で言われただけだった。
 普段のように面白がって自分の著作を引用しながら弁舌爽やかに弁論するでもなく、ただ、口数少なく諌めるだけ。
 それが、もう、シェイクスピアはまったく、ちっとも、俺をそういうふうに見ていないということの表れに思えて、すごく悔しかった。
「............やめるわけ、ないだろ。ここまでしてさ、止まれるわけ、ないんだよ」
 俺は、絞り出すように言った。もうとっくに俺の性器は萎えていた。そもそもはじめから勃起してなんかいなかった。でも、犯さないわけにはいかなかった。
 そうするしか、思いを伝えるすべがない。崖っぷちに追い詰められた真犯人みたいだ、とチープな感想を抱いた。


・・


 バレンタインデーのあと、秘蔵本セットの代わりにとずだぼろになった黒ひげが持ってきた『大人のおもちゃセット』がこんなところで役に立つなんて思わなかった。
 俺はその箱から鈴なりになったブドウのような器具ーーーーアナルパールを出す。普通にぺニスで犯すなんていうのは、シェイクスピアはきっと慣れっこだ。それがさっき証明された。それに、俺は俺は、今までの遊び相手と同じになるなんて真っ平ごめんだ。だから、なるだけシェイクスピアが知らないものを使いたかった。
「これ、使うから」
 そういって、真っ赤なクリア素材の連珠を見せると、シェイクスピアははじめきょとんとした顔をした。
「はは、こんなの、聖杯がおしえてくれるわけないもんな」
 俺は、楽しくなって、その先端をひたりと尻穴にあてる。そして、一気にずぶっとねじ込んだ。
「ひぎっ!? あ、あああああーーーーッ!!!」
 つぷつぷと、一センチの玉から三センチまで五個ぶん一気に飲み込んだシェイクスピアは、悲鳴をあげて背中を丸めた。俺は、それを無視して、一つずつ捩じ込んでゆく。
「あ、嫌っ、抜いて、くだっ......」
「抜けばいいの?」
「あっ、あっ、あっ、あ~~~!」
ばかだな、アナルパールは引き出すときが気持ちいいのに。ずろろろと引き出せば、みっともなくよだれと精液を撒き散らしてイった。
「またいれるよ」
「う、ひっ、あ、あんっ、うっ、あ!」
 ヌポ、ヌポ、と今度はひとつ、ふたつとゆっくりと挿れてゆく。そのたびにシェイクスピアは、あん、と甘い声を漏らす。もう順応したらしい。快楽に弱いんだな、と察する。
「もう、大きいのまで入ったよ」
 一番大きいサイズまで入れ、フックにかけた指がこつんとアナルに当たった。
「これ、ぜんぶ抜いたらどうなるかな。ねえ、抜いてほしい?」
「あ、当たり前、でしょうっ!」
「だよねえ。ゆっくり? それとも、一気に?」
 ひゅっ、とシェイクスピアが息をのむのが分かった。それは恐れというより、期待だろう。きゅん、と指に当たるアナルがしまるのがわかってかわいかった。
「おじさん、気持ちいいの、大好きだね。俺のこと好きじゃないのに、こんなことされて、よがってるんだもんな」
 いたずらに一番多い玉を出したりいれたりすると、シェイクスピアはひんひんと鳴いた。
「ひっ、あん、も、止めっ」
「止めてほしい? うそつき」
「うそじゃなっ......」
「嘘だろ。こんな締め付けて、前さわってないのに何回もイッて。止めてほしくないってからだは言ってるよ。そんなうそつきなシェイクスピアなら、俺のこと好きって言えるよね。ねえ、言ってみてよ。嘘でもさ!」
 ぱしん、とお尻をたたく。シェイクスピアは「あ"~~ッ!」とそれでも気持ち良さそうだった。こんな、夢にまで見た姿を見ても、俺は勃起なんかしなかった。こんな気持ちのないセックスなんか、本当はしたくない。
 でも、するしかなかったんだ。俺は、俺のなかの良心に言い訳をして、アナルパールのせいでどろどろにとろけた顔のシェイクスピアを見る。
「............嘘でも、言えたら、止めてあげる」
「お、愚かな......そんな、ことのために......」
「そうだよ、俺は、馬鹿で、どうしようもないマスターさ。お前の、一言が嘘でも聞きたいんだ。ねえ、言って、お願い。そうしないと、そうしないとーーーー」
 なにするか分かんないよ。
 シェイクスピアは、怯えた目で俺を見た。小さかったこいぬが、いつの間にか獰猛な獣になったということが、ようやく分かったみたいだった。
「えーーーー、ええ、はい。マスター、のことは、人として好ましいとおふっ、ああああッ!!!? なにっ、やらっ、あっ、やめっ、ますたあ!」
 喋っている途中でぬぽぽぽぽっ、と全部抜きだすと、シェイクスピアは電撃的な快感にもだえた。抜けたアナルパールには、『おまけ』がついていて汚く、そのまま俺はそれを放る。カツン、とアナルパールがリノリウムの床に落ちた音が遠くに聞こえた。
「そういうのが、聞きたいんじゃないんだよ。嘘でも言えよ、役者だろ! 愛してるって、俺しか見えないって、今すぐ抱いてほしいって! 言えよ......言ってくれよ......」
 ぽたぽたと、涙が溢れるのを感じた。シェイクスピアはなにも言わなかった。俺ばっかりだ。何もかも嫌になって、俺はそのままベッドに横になった。
「はは、ばかみたい」
 マイルームは、しんと静まり返って、俺の心を突き刺した。


おわり

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