ACT1 種火過剰投与で媚薬編
ぐだしぇ 要素・媚薬、着衣、無理やり、ぐだおくんが早漏)
「いや、申し訳ないとは思ってるんだよ」
俺は、マイルームのベッドの中でおまんじゅうのように丸まっているサーヴァントに向かって、慰めの言葉をかけた。
けれど、シーツに丸まって大籠城を決め込んでいるシェイクスピアは、普段の饒舌さはどこへやら、ぶるぶると震えるばかりで何も返事をしない。
「ほんと、こればっかりはしょうがないというか。俺が悪かったというか......自然の摂理というか......」
俺は頬をかいて、手元できらきらと黄金に輝く種火を見つめた。サーヴァントの能力強化には必要不可欠な、大いなる力を秘めた物質だ。これをサーヴァントに取り込ませれば、サーヴァントレベルが上がり、体力や攻撃力が上がる。そういうものだ。その仕組みは頭があまりいい方ではない俺にはちっとも分からなかったけれど、結果論としてサーヴァントが強くなるので特に気にも留めたことはなかった。
そう、今日までは。
「ダ・ヴィンチちゃんもさ、超成功が何度も続いた事例におけるケース分析は進んでないって言ってたし、不可抗力だよ」
ベッドに近づいて、シーツおばけになっているシェイクスピアの背中と思われる部分をぽんぽんとさすると、シェイクスピアは「う、わっ!」と素っ頓狂な声を上げてひときわ大きく体を跳ねさせる。あ、まずいことをした、と思うと、すぐにシーツの中からいやに弱弱しい叱責が聞こえてきた。
「ま、マスター! か、かってに触らないで頂きたい!」
「いや、ごめんよ。ほんと、ごめんってば」
「も、申し訳ないというならば、は、はやくどうにかしてください......!」
四〇も過ぎたおじさんのうらわかき乙女のような、いたいけな少女のような反応に、苦笑する。かわいいな、と口からこぼれないように我慢して、ベッドに腰を掛けた。
「そりゃ、どうにかしてあげたいけれど、俺にはどうすることもできないし......。自己保存スキルも効かないんだろ?」
「え、ええ。はい。そもそも......、種火の身体能力増幅効果が影響して、いるようですから......んんっ......」
「い、いいよ。無理して喋んなくて。無害だってことは分かったから」
もぞもぞと動きながら、ため息交じりの声で説明してくるシェイクスピア。それを聞いていると頭がどうにかなってしまいそうだ。でも、それはシェイクスピアにとって心底申し訳ない。できたら今すぐにでも、そのシーツをめくって顔を見てみたいし、触りたい。それが本音なのだけれど、本人がいいって言わなきゃ手出しできない。無理矢理だなんて、可哀想だし。
でも、据え膳なのだ。
マイルームには、俺とシェイクスピアの二人だけ。しかもそのシェイクスピアは種火のオーバードーズで媚薬を使ったような状態で。そんなエロ同人かなにかみたいなシチュエーションで、興奮しない方がおかしい。
俺だって普通の健全な男の子なわけで、こんないかにも食べて下さい! みたいな光景が広がっているとムラムラしてしまうのだ。俺は半分勃起しかけてしまっている自身をなだめながら、白々しいセリフを口にした。
「と、とりあえずさ。ヌいておさめたら? 俺、出とくから、終わったら呼んでよ」
これでよし! 俺はそう思った。万事解決だ。
いや、まあ、シェイクスピアのオナニーショーを見たいか見たくないかと言えば、見たいのだけれど、そんなことしてしまったら今度こそ理性が崩壊してしまいそうだ。だから、俺はこの場から逃げることにした。これが最適解だと疑わなかった。
しかし、現実と言うのはどんな創作物よりも理不尽で、俺の理性を試してくるのだ。
「いかないでくださいマスター!」
ばっ、とシーツが宙を舞った。立ち上がりかけた俺の制服のすそを、すがるようにそっと掴まれてどきりと心臓が高鳴る。振り向けば、顔を真っ赤に蒸気させ、瞳を潤ませて震えるシェイクスピアがいた。
「ど、どうしたんだよ。シェイクスピア」
「............ないのです」
「え?」
蚊の鳴くような声で、シェイクスピアは言った。
俺はそれが聞き取れず、思わず聞き返してしまう。
「で、できないのです。さっきから、ずうっと、やろうとしているのですが、ぜ、ぜんぜん......」
そわそわと、ふとももをすり合わせながらシェイクスピアは言った。俺はくらりと眩暈がしそうな光景に、股間が膨らむのを感じて思わず視線を彷徨わせた。
「気持ち良すぎて、吾輩、手が震えてしまって......」
衣服を全く乱していないというのにいやらしく身をくねらせながら、頼りなさげに言うシェイクスピアに、俺の中でぱちんとなにかがはじける音がした。
「それはさ、俺にやって欲しいってこと?」
「い、いえ」
「嘘だろ。だったら呼び止めたりしないはずだし、俺以外に頼むっていう選択肢もないだろお前」
「そうではありますが」
するっと制服のすそを引っ張っていた手を掴んで、ベッドに押し倒すように乗り上がると、シェイクスピアは分かりやすく怯えたように体を跳ねさせた。ちょっとの刺激も快感なんだ。他人に障られたらひとたまりもないだろう。
「や、あの、ますたー、やは、っり! やめましょう......ッ!」
「やだよ。抜かないとしんどいだろ。自分で出来ないんじゃあ、俺がやるしかない。わかってるくせに」
「ひい!」
金具を外してマントを取り、かわいらしく蝶々結びにされたリボンタイを解く。ベスト越しに胸を軽く撫でると、感じているのかシェイクスピアは分かりやすく悲鳴を上げた。
「マスター、マスター、おやめになってください。ほんとに、それ、以上は、ああっ」
「筋力Eなくせに、抵抗なんかしちゃって。かわいいね」
子猫の様に弱弱しいパンチを受け流して、俺は口にキスをした。ちゅ、と軽い音を立てるような軽い口づけでも性感を刺激されるようで、シェイクスピアは目を見開いて顔をのけぞらせる。俺は逃げられたのに腹が立って、むっとするとシェイクスピアの後頭部を掴むと、強引に深く口をつけた。
「んっ、んむっ、んーーーー!」
苦しそうにするシェイクスピアの、髭の生えそろった顎をさりさりと撫でてなだめながら、唇を割り開くと歯列を舌でなぞった。くちゅ、だとか、ぷちゅ、だとかいやらしい水音がいやに大きく部屋に響く。
「......ぷは、ねえ、気持ちいい?」
「はあッ、は、ま、ます、たあ......?」
「こんなキスなんかでばかになっちゃダメだよ。まだ舌もいれてないし」
酸素を求めて自然、はくはくと開く口に再びキスをする。俺がしつこく上あごをなぞり、舌先を絡め、口内を蹂躙していくのを、シェイクスピアはまるで子供の様になって見ていた。琥珀の双眸が涙でいっぱいになって、唾液が口の端から顎に向かって零れ落ちた。
「ん、む~~~~!!! ふ、ぶっ!」
空いた手で、同時に股間を擦ると、かたい感触とともにぐちゃというひどい水音が聞こえた。急に触ったのがよくなかったようで、シェイクスピアはぴんと背を伸ばすとひどく悶えた。
キスだけでこんなになって、可哀想だ。揉み込むようにさわると、じんわりと湿った感触がズボン越しに伝わってきた。
「あは、もうぐちゃぐちゃ。なにこれ、ローションなんかいらないんじゃない?」
「ああっ、ああっ......。あ、うっ! マスター! さ、さわらないで」
「なにいってんだよ。さわんないとイけないだろ。ほら腰上げて」
ズボンのまえをくつろげて、下着に手を差し入れる。
「な、なに」
「なにじゃないだろ。イくんだよ」
「え、くっうっ! あ、うっ! ぐっ......はぁっふっ! あんんっ!」
陰茎を取り出して二、三回擦ってやると、すぐに高い喘ぎ声を上げて、びゅくびゅくと精液を吐き出した。更に尿道口をほじくるようにぐりぐりいじめてやると、シェイクスピアは嫌々と首を振った。
「ねえ、おさまった?」
「う......ふっあ、はぁ............。は、はい。もう吾輩、大丈夫ですぞ。ですから、マスター、もう......。ううぅ! くっ、う、ああっううぅうっ!」
「嘘だろ。まだこんなにしてるくせにさ」
シェイクスピアの陰茎は、まだ先走りをだらだらと流して、もっともっと触って欲しいと言いたげに俺の手の中で脈をうっていた。睾丸をもんでやり、蟻の戸渡りをとんとんと叩く。それから、びしょびしょに濡れた後ろの穴を触った。
「あっ?」
「すごい。もの欲しそうにひくひくしてる。ハメて欲しいって、お願いしてるみたいだ」
「え、いや、マスター! そこは関係な......。うあ、あぁッ!」
「深呼吸して、そう。イイコ」
ふちをなぞっていたところから浅く指を入れると、きゅうとかわいらしく締め付けてきた。ナカは温かく、喜んでいるように肉壁がうごめいている。
「処女なのに、こんなになってるの分かる? これも種火のせいかな、それともお前がいやらしいせい?」
「たね、びのッ! うっ! くっ......。せいに、決まっているでしょう......」
シェイクスピアは恥ずかしさのあまり、困ったような顔をして言った。俺はそうかなあ、と返して、指の本数を増やしていく。
「どこかな、ここ? シェイクスピアのいいところ、教えて欲しいな」
く、っと陰茎側の壁を探るように押していく。シェイクスピアは、最初こそ戸惑っていたものの、もう抵抗する気もないらしい。そういう物分かりのいいところは嫌いじゃない。
「うっ、は、はいって......。あ、あ、っ、っひ!?」
「ここ?」
「嫌ッ、マスター! あっやだ、そこ、やめてください! はぁうっ! う......あぁくっうっ! 変に、へん、わがはいっ、へんになるっ」
集中的にそこを責めると、シェイクスピアは体をくねらせてよがった。
「変になっていいよ。ほら、気持ちいいでしょ」
「あ、ひ、う、う、で、でる......! それ以上は、それいじょう、は! 出てしまいます! ......あぁああっうっ!」
「空イキだ、すごいねシェイクスピア。劇作家だけじゃなくて、肉便器の才能もあるんだ」
「ーーーーーッ! ......!」
もう声も出ないようで、ぐいぐいと内壁を押すたびに、シェイクスピアは苦しそうに息をした。俺は、ズボンの中でパンパンに膨れ上がった自身を一撫ですると、それを取り出した。
「ねえ。もう入れていいよね」
「......え?」
「何言ってるんだよ。俺だって気持ちよくさせてくれよ、な」
「いやあのマスター、それはさすがに関係なくないです、っ、え......? ......あぁうっ!?」
指を抜いて、後口に亀頭を擦りつけると、困惑する本人の意思とは関係なく呑み込むようにそこは俺の陰茎を受け入れた。
「ほら、お前がスケベだから、もう先っぽ入っちゃったぞ」
「い、嫌です! ぬ、抜いてくだ、さ」
「やだよ。ほら、こうされると気持ちいいだろ?」
「う、動かさな、い、くっうっ! うっ! ......うっ!」
ぐりぐりと腰を動かして、ねじ込むようにして挿入すると、シェイクスピアはひどく嫌がった。
根元までずっぷりと咥えこんでいるくせに、嫌がるだなんてまったく説得力がない。押し返そうと伸ばされた手は、すがるように俺の胸に引っかかっている。
「大丈夫だって、気持ちよくなるだけだからさ」
「いや、ひっ、嫌っ、ああっあ、うっ! ふっ......うはぁっくっうっ!」
ぐ、ぐ、と抜き差ししながら中に押し込むようにピストン運動を繰り返す。初めは浅くだったが、どんどんぎりぎりまで引き抜いては、えぐるように奥までつくような大きく深い動きに変わっていった。
「あ、あーーっ! やめっ、深いっ! あつい!」
「しっかり気持ちよくなってるじゃないか、ほら、もっと突いてやるから喜んでよ」
「はあっ、ふ、ふ、あっ! もう、ますたー!」
「ほら、出るぞ! 中出しだ! お前のメス穴、ザーメンでいっぱいにしてやるよ!」
奥をガンガンとついていると、俺の方に限界が来た。かっと目の前が白くなって、ほとばしるように中に向かってびゅるびゅると射精した。
「は、あ、出てるっ! なに出して、あ、まだ出......ッ!! はひ、う、あ! あ!」
「ほら......。なあ、種付けされた気持ちはどうだ? 後で本に書いてみたら?」
「は、はー、はー! さいっ、あくです......!」
「嘘つけ」
「ぐっ......うはぁっ! あ、ううぅ......!」
気丈に振る舞おうとしても、どろどろに蕩けた顔が気持ちいいと物語っている。
俺は萎えないまま、続けて腰を動かした。ぱちゅぱちゅと精液があふれて、中でシェイクスピアの腸液と混ざる音がする。
「ねえ、まだおさまんない? このままずっと、ハメっぱなしかな」
「そんなの、御免ですッ!」
にやにやしながらささやきかけると、こん、と軽く背中をかかとで叩かれた。そんな怒っていても、後ろは切なくきゅうと締め付けてきて、もっとと言っているのは明らかだった。
「まだまだがんばろうね、おじさん」
「だからいやって......あっ、この色ボケ......マ......スター!」
シェイクスピアは、喘ぎすぎてカスカスになった声で、ぜえぜえと抗議した。俺が無視して腰を動かすと、あん、といやらしい声を上げて喜んだので、俺の自身はガチガチに勃起してしまい、まだ追われそうにもなかった。これじゃ、どちらが媚薬を盛られたのかわかりゃしなかった。
・・
「いや、本当に申し訳ないとは思ってるんだよ」
俺は、マイルームの中に籠城を決め込んだサーヴァントに向かって、再び慰めの言葉をかけた。けれど、扉の向こうでふてくされているシェイクスピアは一向に俺を中に入れてはくれない。
「でも、勃っちゃったものはしょうがないっていうか。俺が悪かったというか......自然の摂理というか......」
俺が言い訳を続けると、ウィンと音がして、シェイクスピアが顔を覗かせた。
「あ、シェイクスピア」
「マスターのバカッ! 反省の色が見られませんぞ!」
サクッと頭に羽ペンが刺さって、俺は痛くて頭をおさえた。
完
処女作がこれってどうなの