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ミラクル☆魔力供給

ダヴィシェ。あほエロペニバンセックスです!!!!)

 およそ私は万能だ! というのは、サーヴァントたるレオナルド・ダ・ヴィンチの口癖である。彼ないし彼女(レオナルドはどちらかをはっきりとは言わない。秘密が多い方が天才らしいだろう! と笑うだけだ)は、 怪しげな自称天才的発明を次々と繰り返しては工房の奥に積み重ねている。
 その発明はカルデア職員たちには秘匿され、レオナルドはリツカにすらそれを話すことはあまりない。天才というのはとかく普通の人間に説明するのを面倒くさがるいきものだ。脳細胞の数がちがう人間たちに、「どうして?」「なんでそうなるの?」なんて聞かれていちいち説明なんかしていたら、自分の天才的頭脳が矢継ぎ早にレオナルドに提案する『思いつき』をかたちにする時間がなくなってしまうからだ。
 そういうわけで、レオナルドの工房には一部の人間から見たらガラクタめいたものが、やたら転がっているのである。

・・


「なあ! ウィリアム! きみ、今日はわたしの工房によっていくだろう?」
 朝の食堂。様々なカルデアに仮の座を置くサーヴァントたちが闊歩し、アーチャー・エミヤとバーサーカー・タマモキャットの客(個性豊かで気難しいわがままなサーヴァントたち)を捌く大きな声が響いている。(ちなみに、好き嫌いが多く注文がやたらとめんどくさいシェイクスピアも、そのなかの一騎である)
「ああ、ダ・ヴィンチ殿。おはようございます。またなにか、ものすんごい発明でもしたのですかな?」
「いやあ、それはもう! わたしの発明はいつだって『ものすんごい』ものさ!」
 レオナルドは、オムライスの上に乗ったパセリと、中のグリンピースをスプーンでよけて器用に食べているシェイクスピアの前に膳を置いて座った。
「まあたきみは、野菜をよけて食べているね」
「吾輩、苦いものはあまり好まないので」
「それで、ウィリアム。来るだろう? わたしの発明を取材したいって顔をしているじゃないか」
「はあ、まあ。そうなのですけども。それは、まあ! とても、気にはなりますけれど。作家として! しかし、我が友アンデルセンくんとの約束があるもので」
「わたしは友人じゃないっていうのかいウィリアム! ああ、ダ・ヴィンチちゃんは傷ついたよ!」
 シェイクスピアの淡泊な対応に、彼が新ネタに食いつくことを期待していたレオナルドはおよよ、とわざとらしく鳴き真似をして炭酸水の入ったボトルをグラスに傾けた。
「ダ・ヴィンチ殿。ああ、そんな大仰になされたら、吾輩が悪いみたいではないですか!」
「だって、きみがわたしより、アンデルセンを取るからだろう」
「アンデルセンくんは友人ですし、先約でしたから、ダ・ヴィンチ殿にそう言われましても......」
「いいや! なにきみみたいなサーヴァントが常識人ぶって講釈をたれているのか! 執筆のネタが大事なのがきみじゃあないのか! そういう自分本意なのがきみだろう!」
「なんだか、吾輩すごく失礼なことを言われている気がするのですが!」
 レオナルドは、ぶうとぶすくれて、じとっとした目でシェイクスピアを見つめた。
「きみがきてくれなきゃ、いやだね。天才の水準で話ができるのは、きみくらいしかいないんだ」
 子供のようにだだをこねるレオナルドに、さすがのシェイクスピアも降参だった。すみませんアンデルセンくん、と心のなかで謝って、ライターとしての好奇心にこころの席を譲った。なにせ、相手は自分より二百年ほど前の大天才なのである。根堀り葉堀り、なんでも聞いてみたい。なぜモナリザの姿で召喚されているのか? 今回の大発明は? そういったインタビューを逐一やってみたいほどの相手だ。
 シェイクスピアは、グリンピースで山盛りになった皿を卓上に置くと、レオナルドのものすんごい発明を拝見しに、彼ないし彼女のラボへと向かうのだった。


・・


「それで、新作というのは?」
 シェイクスピアが訪ねると、レオナルドは、ごそごそと発明品のやまから、ピンク色をしたいかにもペニスです!!!!! といったものを盗りだした。
「これなんだけど」
「ペニスじゃないですか! 吾輩帰ります!」
「やだよ~~~~~~~! 帰らないでよウィリアム~~~~~~~これはほんとすごい発明なんだって~~~~~」
 きびすを返して帰ろうとするシェイクスピアに、レオナルドは抱きついて抵抗した。腕についたアーマーが協力すぎて、シェイクスピアはついぞそこから離れることはかなわなかった。
「これはだねウィリアム」
 レオナルドの発明『捕縛くん二号』で腕を後ろ手にぐるぐるまきにされたシェイクスピアは、強制的にそのピンク色のペニスについての解説を聞くことと相成った。
「女性も男性鯖に、お手軽に魔力を供給できる夢のような器具なのさ!」
 ばばん! という効果音が聞こえそうなほどに、誇らしげに胸を張ってレオナルドはそのペニスを掲げた。
「魔力供給なら、そばにいるだけで成立するでしょうに、なぜいまそんなものを」
「だから、効率的なのは体液摂取なのはキミも知っているだろうウィリアム。血? 痛いに決まっている。唾液? 効率が悪い! じゃあなにか!」
「聞かずともわかる気がしますぞ、それ......」
「そう精液! 魔力供給と言えばセックス! アーンド中出し!」
 しかし、女性はそれができない。だからこのダ・ヴィンチちゃんが一肌脱いだってことさ! とレオナルドは興奮気味に言う。さてはて、それが必要なサーヴァントがこのカルデアにいるというのか......。いや、いないとシェイクスピアは思った。
「というわけで、だ。実験体になってくれたまえ。我が愛しのウィリアム!」
「いやあの、吾輩現在魔力はたっぷりでして、供給の必要がないといいますか、早く返してほしいと言いますか......」
 珍しく押され気味のシェイクスピアがしどろもどろに言うと、レオナルドはばちこーん! ときれいにウインクをして最悪の言葉を放った。
「大丈夫! ダ・ヴィンチちゃん特製の『マリョクホウシュツスール』をキミのオムライスにに混ぜておいたから、今にもキミは体がうずいて魔力がほしくてほしくて仕方がなくなって、この発明を使わざるを得なくなる計算さ!」
「さ、最低ですぞ!!!!!」
 シェイクスピアは、半泣きになって叫んだ。逃げられないのは明白だった。


・・


「う、ん......はッ......ふうう......」
 シェイクスピアは、ラボの床に転がって、魔力の欠乏に耐えていた。
「ほうら、ウィリアム。ほしくなってきたんじゃない?」
「いいえ、そんなことはありませんとも! この程度、ぜんぜ、ぜん、ぜんぜん......」
 言いなりになるのは悔しくて気丈に振る舞うも、腹がうずいてたまらなかった。魔力がほしい。早急に。足りない、足りない......。頭を支配するのはそればかりだった。
 レオナルドとこういう遊びをしたことは一度ではない。一度ではないが故に、レオナルドに『ほしい』と言いさえすれば欲しいものが与えられると体は知っている。
 きゅんきゅんとアナルがひくついて、そこに埋まるものをほしがった。目の前にちらつくピンクが、甘美なものに見える。
「ぜんぜん......ほしくなんか......ありま......せん、とも!」
「ほんとにい~? これで、ダ・ヴィンチちゃんに死ぬほど魔力を注いでほしいって思ってるんじゃないかい?」
「死ぬほど......」
「そうさ、キミがイヤといってもやめてあげないし、もういらないってくらいの魔力をあげよう! そのためのコレさ。なんせ、このダ・ヴィンチちゃんは、男性器も女性器もないからね!」
 想像してごらんよ。キミのなかに魔力が注がれていく快感。味わいたいだろ? ねえ。かわいいウィリアム。
 ほぼ前後不覚な状況で、そうささやかれてしまったら、さすがのシェイクスピアも(というかシェイクスピアは元から諸々の快楽に弱い)その誘い文句に乗るしかないのだった。


・・


「よおし。装着完了! ウィリアム、入れるよ!」
「ふ、ううう。はや、はやくッ! 魔力ッ、くださ......」
「はいはい、いくよ~。これ太く作りすぎちゃったけどはいるかなあ、まあウィリアムくん柔らかいしいけるいける!」
 下履きをずらされ、尻だけを露出した格好で、シェイクスピアは唾液でどろどろになって地面に這っていた。魔力が足りない。それだけで理性が完全に吹っ飛んでしまった。
 レオナルドは、はじめ狙いが定まらないのかぐにゅぐにゅとアナル付近のしわにピンクの玩具を押しつけていたが、やがて入りそうなところを見つけたのか、えい! という声とともにそれを挿入した。
「~~~~~~~~ッ!!!!!」
「は、入った! やったぞウィリアム!」
「は、はひ、ま、魔力が」
「どうだいウィリアム、魔力A+のわたしの魔力はおいしいだろ!」
「ひゃい、じんじんって......入っただけで吾輩ッ......! まりょくかんじますッ」
「お~お~! これは発明成功だね! さっすが天才!」
「ダ・ヴィンチどのっ、はやく、はやく......魔力を......っ!」
 挿入したまま、レオナルドが動かずにいると、シェイクスピアは枯渇した魔力を求めて勝手に腰を振ってねだった。
「あ~。ごめんごめん。かわいいウィリアム。いま魔力をあげようね」
 そう言うと、レオナルドは容赦ない注挿を開始した。ばちゅん、ばちゅん、と尻と股が当たる音が大きくラボに響いた。
 みぢみぢと腸内を割り開く玩具に、悲鳴をあげつつ、同時に注がれる濃厚な魔力にシェイクスピアは、はあと甘い息を漏らした。
「はあっ、はあ! ダ・ヴィンチどのっ! もっと、もっとくらさい!」
「はいはいいいよいいよ、持ってっちゃって~! ただし、ご利用は計画的にね!」
「おくまれっ、足りないから、もっと奥っ」
「了解~!」
 シェイクスピアに言われるまま、ごつごつと奥の方までレオナルドは思い切り突いた。はひ、だとか、だらしない声を上げてシェイクスピアは嬉しそうによがった。
「わはは、ウィリアム、こりゃわたしの魔力ではらんじゃったりして! なんつって、おっさんくさいかな」
「はら......?」
「あ~、聞こえてないか~。ごめんごめん、後でお詫びするから、実験に、付き合って、ねッ!」
「――――――――――――ッ!!!!」


・・


「それで、ダ・ヴィンチ殿。尻の穴が未だしまらない吾輩に言うことは」
 マントにくるまって籠城姿勢を取るシェイクスピアは、じとりとレオナルドを睨んだ。完全にご機嫌を損ねてしまったレオナルドは、あははと笑いながら、頭をかいた。
「いやでも、ウィリアムも楽しんでたし、わたしも調子に乗ったって言うか、まあ、ウィリアムがエッチなのがわるいよね~」
「責任転嫁はやめていただきたいですな!」
「ははは!」
 しばらく、シェイクスピアの怒声と全く反省していないようすのレオナルドの笑い声がラボから聞こえてきたとかなんとか。

(おわり)

 

 

 

ダヴィンチちゃんの「ウィリアム」呼びに気が狂った(シェイクスピア・ラ・カルト収録)

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