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おつかれセラピー

(ラッへ復興中設定。捏造満載です。齟齬あったらすいません。ただただヴェインちゃんがランちゃんに手コキするだけ)

イザベラが倒され、王都に平和が戻った、というわけにはいかなかった。
 無数の魔物に襲われた城下や農村に住む人々の人口はすっかり減ってしまっていて、フェードラッへの産業は大打撃を受けいていた。
 復興には時間がかかるだろうが、それまで支え合って辛抱してくれとカール王は国民に頼むように言った。
 そのときはみなその言葉に感銘を受けたものの、物資の供給がままならない現状はなかなか打開できなかった。というのも、魔物に殺されたのは立ち向かった力のある男どもが多かったからだ。
 物資を運ぶ男手がいないとなると、街――――とくに城下市街に入るものが少ない。人々の生活は困窮していた。
 問題になったのは特に水だ。
 シルフによる河川の汚染が未だ完全に浄化されたとは言えない王国内の河川から、飲料水をとることはとえも出来ず、国外からの救援や輸入を余儀なくされていた。
 また、水は重い。水を運ぶ「水売り」の仕事は賃金が決して高いとは言えず、労力もたいへんかかるため、ほかの国が斡旋した仕事に比べて人が集まらなかった。
 そんなとき、無償で仕事をかってでたのが、復興にとくに尽力していた白竜騎士団副団長・ヴェインが率いる小隊だった。
 力ある彼らが、進んで飲料水を城下で配り歩く姿は、王国民を勇気づけたのだった。

・・


 一方そのころ、牢屋生活の衰弱から復帰したランスロットは、カール王のはからいで室内仕事に回されていた。イザベラの謀反は立派な戦争犯罪であり、それに関わったであろうフェードラッへの政務官たちの名前のリストや、物資の現状報告、他国への救援要請書類などの処理を延々と続けるランスロットは、ほとんど執務室にこもりきりであった。
 こういうものは本来執政部門の仕事であったが、何しろ裏切った者の人数が多かったため、こちらも人手が不足していたのだ。
 はじめランスロットは、直接の関係者である自分がそういった書類の仕事をしていいものかと思っていたが、カール王はランスロットなら公正な判断を下すだろうと直々に彼に仕事を与えたのであっては、どうしようもなかった。
「やはり、農作物などの食糧問題が厳しいな......」
 ランスロットは朝から晩まで次々と届く書類とにらめっこをして疲れた目をほぐすように目頭の間をもんだ。
 市民の嘆願状ももう未処理のものが束を超えた。衰弱からはすっかり立ち直ったとはいえ、この書類ラッシュはさすがに堪える。
 はああ、とランスロットは本来なら政務官が座るデスクチェアにもたれかかって大きく息を吐いた。
 ヴェインにもずいぶんと会っていない。報告によると城下で復興の為に働いているらしく、城に戻ることはまれだという。
「ヴェイン......」
 会えばいつでも明るい笑顔を見せてくれる幼なじみ(兼恋人)の彼に会いたかった。けれど、そういうわけにはいかない。いろいろとことが済んだら会いに行こう、そして抱こう、と疲れた頭で下世話なことを考えていたそのとき、コンコンと執務室のドアがノックされた。
 慌てて体勢を直すとランスロットは努めて冷静を装って、「ランスロット、在室している」と返した。
「お~。ランちゃん! 久しぶりい!」
 がちゃ、と扉を押し開いて出てきたのはランスロットの幻覚だろうか、なんと久々に会う幼なじみだった。
「ヴェイン!?」
「あはは、そんなに驚かなくても......。よいしょ、はい、お客さん頼まれてた飲料水のお届けです。なんちて」
 へへ、と笑うヴェインはいつものシャツ姿ではなく、水売りの制服を身に纏い、肩にバケツをぶら下げた木の棒をかけていた。
 一回に四十から六十リットルの水一度に運ぶという水売りは、大変に汗をかくというから非常にラフな――――言い換えれば露出の多い格好をしている。袖のない藍染めのベストを、片方の袖を脱いで半分上半身を露出させた姿が多かったが、まさかソレをヴェインがしているとは!
「ヴェイン......。その格好はよくない......」
「ん? これか! いやあ、最初はいつものカッコでやってたんだけど、この服通気性がすげーよくてさ。さすが本職の人が愛用するだけあるよなあ!」
「違うそうじゃない」
 飲料水の入ったバケツを下ろすと、ヴェインははだかの肩をぐるぐると回した。
 ヴェインよ、その裸の右胸や腹を晒して街を歩き回っていたというのか!
 ランスロットがこよなく愛する、包容力抜群のヴェインの胸が不特定多数の人間の注目の的になっていただなんて、非常に耐えがたいことだった。
 ヴェインは細かいところによく気がつく気配りやだが、自分自身のことに関しては基本的に関心がない。恋人になってからというもの、幼なじみのそういう面での大雑把さにランスロットはひやひやしていた。
「うえ、ランちゃん。なんか怒ってる?」
 ランスロットは表に出していないつもりだったが、長い付き合いのヴェインにはばれてしまっていた。
「いや、怒ってない......、ううん、怒っているな」
 ランスロットがそう言って椅子から立ち上がり、散らばった書籍やらを器用によけて、入り口にいたヴェインの手を取った。そのままぐいぐいとヴェインを引っ張り、唯一きれいだった客用ソファに座らせた。
「......勘弁してくれ。こんないやらしい格好を皆に見せつけて歩くのは......」
「だって、コレが制服だしさ。俺のことそんな目でみてるのランちゃんくらいだってば」
「そうだとしても、仮にそうだとしてもだ。俺が嫌なんだ」
 うっ、とヴェインは言葉につまる。ランスロットにはてんで弱いヴェインは、こうやって意思表示をされると反論できなかった。
「そうか。嫌なのか、ランちゃん」
「嫌だ」
「めずらしくだだこねて、おチビみたいだなア。疲れたまってる? 部屋メチャクチャ汚いもんな」
 ヴェインはそういうと、ランスロットを膝に座らせて、よしよしと背中をたたいた。とんとん、とリズミカルにたたかれて、ランスロットは素直にヴェインにもれかかった。
「ごめんなあ、でも復興の為だし、また時間ができたら俺もなるべく来るようにするからさ。掃除とかもしないといけないし。それに、俺もランちゃんに会いたかったし......」
「ああ」
 ランスロットの背中を撫でながら、眠そうにする彼をこのまま寝かしつけてしまおうとヴェインはランスロットを横抱きにする。すると、疲れマラなのかランスロットのズボンの中心が高く盛り上がっているのに気づいて、ああ、と声を出す。
「ランちゃん、勃ってる。抜いてなかった?」
「全然そんな時間なかったし、お前がそんな格好してるから勃った」
「ランちゃんてば、なんでも俺のせいかよ......。コレ制服だし、汚しちゃダメだから、手でいいか?」
 ランスロットは半分寝ているような顔で、ああ、と言った。ヴェインはそれをきくと、ランスロットのズボンの前をくつろげる。
 そして、屹立した中心を握ると、先走りの滑りを借りて優しく擦り始めた。
「お客さん気持ちいいですか~。なんてな、あはは」
 そんなことを言いながら、甘やかすように亀頭をいじったり、陰嚢をもんだりするヴェインの腕の中、ランスロットは包み込まれるような心地よさを感じてリラックスしていた。
「おいおいランちゃん、寝るなあ。せめてイってから寝ような」
「うむ......。ああ」
 ヴェインの胸にもたれかかり、うとうととするランスロットをヴェインは起こす。そのまま勢いを強め、ぐちゅぐちゅとしごくと、胸に抱えたランスロットの頭がびくびくと動いた。
「はあ、は、はあ......」
「ランちゃん、イきそうか?」
 顔を赤くして、はあはあと息を吐くランスロットに、ヴェインは優しく語りかける。ランスロットは、何回かう、う、とうめき声を上げると、ヴェインの手の中でイった。
「うわ、いっぱい出た......。どんだけ溜めてたんだよランちゃ、って寝てるし!」
 そのまますっかり寝入ってしまったランスロットの陰茎と自分の手をを持っていたハンカチで拭くと、ヴェインはそのまま彼をソファに寝かせた。
「............俺はどうすっかなあ」
 久しぶりの恋人の痴態に、すっかり煽られてしまったヴェインは、ぱたぱたと赤くなった顔を手で仰いで、その気になってしまった腹の奥がぎゅんとうずくのを、ヴェインはやり過ごさなければならなかった。


 おわって

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