drug sex
(リクエスト:初めて中イキするヴェインくんのパーヴェ。シュミで濁点あえぎがあります
心臓が激しく鳴っていた。言ってしまおうか、どうしようか、ヴェインはベッドに横たわり、パーシヴァルを見上げて迷う。でも、普段の高圧的な態度とは裏腹に優しい彼のことだから、いってやらないとダメな気がする、とヴェインは意を決して口を開いた。
「あのさ」
「なんだ、ヴェイン」
「今日は......さ。好きなようにしてくれていいんだぜ」
いっつも遠慮してるだろ、とヴェインがいうと、パーシヴァルは顔をしかめて、これだから駄犬は、とため息をついた。駄犬呼ばわりされることなんかしたか、とヴェインは首をかしげる。
「だって、さあ。俺だって、べっつにそんな壊れモンじゃないんだし......。そりゃ優しいのも俺愛されてんな~って思って、嫌いじゃねえけど。ガマンされるのは平等じゃないだろ」
な、パーさん。と、起き上がってこつんと額同士をぶつけると、パーシヴァルは我慢など、と言い訳めいたことを言ったが、ヴェインはそのままその口を塞いだ。
パーシヴァルはくっつけられた唇に一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐかみつくようにキスを返してきた。べろり、と唇を舐められて、ヴェインは口を開ける。中に侵入してきたパーシヴァルの平たい舌は、ヴェインの歯列をなぞり、上顎をぞろりと舐めた。ヴェインも負けじと舌を絡ませる。はあ、という息継ぎの音と、唾液がまじりあうくちゅくちゅとした音が部屋の床に落ちて跳ねた。
しばらくして、どちらからともなく口は離れた。つう、とねばついた銀糸が伸びて、ぷちんと切れた。
「は......、来いよ。パーシヴァル。ビビってないでさ」
ヴェインが挑発的に笑うと、パーシヴァルは、そこでようやくその気になったのか、はん、と猛禽類のように目を細めて嘲笑した。
・・
いつもはきちんと脱がされ、からだに与えられる丹念な愛撫はすっ飛ばされて、ズボンだけ剥ぎ取られた。パーシヴァルも、私服のローブをはだけて下半身を露出させただけで、ヴェインの股に割り入った。
「ひ、ぐッ......、は、あっ、――――ア゛ッ」
ゆっくりと挿入されるのが常だったそれが、一気にガツンと奥まで入れられて、ヴェインはつぶれたカエルのような声を上げた。
乱暴にされているのに、ゾクゾクが背骨を伝って頭の中でぱちんとスパークした。目の前に星が散る。
「あ゛っ、ッ、ぐっ、ふかあッ......! イッ、ふうっ」
ストロークが激しさを増すたびに、びりびりと強い快感がヴェインを襲う。こんなふうに抱かれたことは今までなく、パーシヴァルがいかにいままで自制をして抱いていたのかを知る。
「な......、あ゛、はッ、パー、さ、気持ち、いー...ッか」
「ああ、ずっと、こうやって、ふっ、してやりたかったッ」
征服されているかのようなセックスだった。ずるりと抜かれたと思ったら、奥まで一気に挿入される。体内を行き来する刺激が、ぐんぐんと大きくなる。ヴェインの声も、釣られてだんだんと濡れたものになっていく。
「は、あ、あづッ、パーさ、なんか、おれっ」
じりじりと腹が焼けるように熱かった。突かれるたび、その熱さは全身を支配し、まるでパーシヴァルの炎で焼かれているのではないかという錯覚すらヴェインは覚えた。
「おれ、ヘンだ、あ゛、ヒッ、パーひゃ、う゛ッ......あ、あー! ――――――ッ!」
「お、おいっ、大丈夫かッ!?」
ぜえぜえと息をはいて、大きな快楽にけいれんする体はパーシヴァルが見たことのないもので、征服本能に身を任せていたパーシヴァルも思わず律動を止めて、ヴェインの様子をうかがう。
ヴェインのペニスはまだあつく、そそり立っていたが、そこが精液で濡れているということはなかった。
「は、はあ、すっ......ご、意識とんじまうかとおもったあ......。ん、はあ、まだイってるみてえ......。はは、なんでそんな怖い顔してんだよ......ッ、はあ、パーシヴァル」
ドライオーガズム。知識として知っていたが、ヴェインが『そうなる』のは初めてのことで、パーシヴァルはすっかりうろたえてしまった。怖い顔で困っているのが面白くて、ヴェインは快楽の余韻に浸りながら笑う。
「乱暴で、オスくせえパーさん、はじめて見た」
「悪い」
「なあに謝ってんだよ。すっごかった......。なあ、もっとしてくれよ」
汗でべたべたになった手で、ヴェインはぐっとパーシヴァルを抱き寄せた。しんどいけど、たまにならこういうのもいいから。
そういう余裕げな年下の恋人に、パーシヴァルはおのれ抱き潰すと心の中で負け惜しみを言って、くびすじにかみついた。
おわれ