路地裏散華
深夜三時に書きました。モブ×ヴェイン副団長です。もうなにがなんだかわからない。強姦陵辱諸々好きな人だけみてね)
ヴェインくん、と呼び止められたのは、訓練も終わり兵卒の皆が賑やかに帰り支度を始めていたころだった。
相手はたしか政治家のお貴族さまで、騎士団とはまた別に大きな勢力を持った一団のひとりだ。なんですか、とヴェインが聞くと、その男はただ来たまえとだけ言った。
貴族のプライドを傷つけるとめんどくさいことになるのはわかりきったことだったので、ヴェインはどうにも逆らえず、皆に解散の号令だけ放つと、男の後をついて行った。
「俺に、何か?」
ヴェインが騎士団の宿舎と城をつなぐ渡り廊下で、男に聞くと、コレを見たまえ、とだけ男はヴェインに言った。
それは魔術で紙に転写された、何気ない光景だった。映し出されていたのは、今年の白竜騎士団入団試験の筆記試験会場だ。被写体は茶髪のエルーンの少年――――それはヴェインのよく知るこどもだった。
「モルドレッド?」
今日も訓練に打ち込んでいた真面目な少年。それがなぜ――――。ヴェインが不思議そうな顔をしていると、男は君の目は節穴かね? と言った。
「どう見たって、他人の試験用紙を盗み見しているだろう」
「嘘だ、今年の試験に不正はなかった! それはランちゃ――ランスロット団長がしっかり確認している。それに、モルドレッドはそんなやつじゃない。転写魔術はまだ捏造だって多い。証拠品としては機能しないはずだ!」
ヴェインがかみつくように言うと、男はソレが本性かのように下卑た笑みを浮かべて、「だが、コレを私は何も言わずに三流ゴシップ記者に渡すことだってできる」と返した。それは明らかな脅しだった。
「最近は復興も進んできて良くなってきた騎士団のイメージが、市井のあいだで転落するのはわかりきったことだろう。せっかく君の幼なじみが頑張って立て直した騎士団だ。守りたくはないのかね?」
「ぐ、この、卑怯者ッ」
ヴェインが歯がみすると、男はヴェインに地図が書かれた紙切れを渡した。ばらまかれたくなかったらそこに丸腰で来い、とだけ言うと、わなわなと二の句が告げず震えるヴェインの元を去った。
・・
チンピラや荒くれが集まった路地裏はガヤガヤと騒がしい。なんせ、今日は『客人』がやってきているのだから、普段よりも盛り上がりを見せていた。
「おい、お前ら。白竜騎士団の副団長サマのお出ましだぜ!」
「イイ体してんなあ。さっさと犯しちまおうぜ」
「お前ら、全員ぶっとばす!」
ヴェインが吠えると、いやに身なりのいい男が奥から現れ、それは無理だ、とヴェインに告げた。
「俺たちの雇い主が誰だかわかるだろう。お前がここで、たとえ俺たちを『ぶっとばし』ても、事態は解決しないんだ。わかるか?」
ボスらしき男は、靴でヴェインの足をぐりぐりと踏んだ。ヴェインは抵抗せず、それを受ける。男の言いたいことが分かったからだ。
つまり、ここでなにをされても、抵抗はできないということ。ヴェインはいさぎよく膝をついて、どうとでもしろ、と言った。
「俺がたとえ死んだって、騎士団は失われない。高潔な騎士の心を持った、団長がいるからな。バカでやんの。俺なんかどうだっていいのによお」
煽るようにヴェインがいうと、男は激高し、「バカはお前だ!」と膝を突いたヴェインの顔を殴り飛ばした。
「うぐっ」
ぐしゃりと地面にヴェインは横倒しになる。倒れたヴェインに、数名のチンピラが近づいて、取り囲む。そして、ヴェインのズボンをためらいなくずらした。びしゃり、と尻に冷たい粘液のようなものをかけられると、そのまま乱暴に挿入された。
「ひぐッ、~~~~~~~ッ!!!!!」
めりめりという肉が裂かれる音とともに、ヴェインは声にならない声をあげた。はくはくと陸に打ち上げられた魚のように息をするヴェインを見て、歓声が上がる。
チンピラはそのままばちゅばちゅと力任せにピストンをはじめた。
「あ゛、いだっ、う゛ッ、は、おえっ、う゛」
「カワイ~! 処女じゃねえか、がんばるねえ。ふくだんちょ」
「ヒッ、ううっ、う、ふ、ぐっ」
さっきまでの威勢はどうしたんだよ、と罵られ、ヴェインはぎろりと緑の目で男たちを睨んだ。そこに光は失われていなかった。
「チッ、歯ァ立てんじゃあねえぞ!」
それが面白くないらしく、チンピラは舌打ちをすると、ヴェインの口にペニスをぶち込んだ。
「ぶっ! んぶ、ご、んう゛ッ」
ごつごつと喉奥を容赦なく突かれ、ヴェインの目の前がかすむ。口にも、尻にもペニスを挿入され、前から後ろから揺さぶられてヴェインは苦しそうにうめき声をあげる。
「ぎゅうぎゅうに締め付けて、ほんとはイイんじゃねえかこいつ!」
「喉マンコも最高だぜ、なあ、ふくだんちょ、出すから全部飲めよお!」
下卑た言葉でチンピラはヴェインを煽る。そのうち、ごぷごぷと喉にくさくてねばついた精液が注ぎ込まれ、ヴェインは吐きそうになるが、ペニスで栓をされているため、塊のようなそれをごくんと飲み下すしかなかった。
「うえ、は、この......っ、かっ、がは......、う、あっ」
ぞろり、と口からペニスが抜かれ、ヴェインは酸素を大きく取り込むように咳をした。しかし、後ろの男がまだだという風にピストンを激しくするので、息をつく暇もない。
びしゃりと顔になにかがかけられる。それが見ながら自慰をしていた荒くれの精液だと認識するだけの気力はヴェインになかった。
「は、あ、あーっ、はーっ、う、ひぐうッ」
ばちゅ、ばちゅ、と激しいストロークに、ヴェインは悲鳴のような声を上げる。
「あ~~~~、出る、出るぞ、おい、聞いてんのか、中に出すからな!」
「あっ、ひっ、ぐ、――――ッ!!!!!!」
どぷどぷと、直腸内に精液を注がれる。ペニスがぬかれると、べしゃりとヴェインはぼろぞうきんのようになって倒れた。
まだ終わりじゃねえぞ、次は俺だ、いや俺が、とチンピラや荒くれがはやし立てる。それをヴェインはどこか遠いことのように聞いていた。
大丈夫、俺は、大丈夫。俺がどんなになったって、男のなぐさみものになったって、ランちゃんが居れば、きっと、白竜騎士団はやっていけるに違いないのだ。だから、大丈夫。
そんなことを思いながら、ヴェインはこのうすぎたない現実ではなく、まぶたの裏にうつるまばゆいばかりの光を見ていた。
おわり