アフター・ザ・ケース
(エロをかくために書いたので、驚くほど内容がないです。グラバロっぽいとこありますが結局シャノバロです。着衣えっち。光バロワ先生のフェイト・アビフェイトの続きですが読んでなくても内容はただのエロです。バロワさんが非処女)
「なあに~~~~!? 名探偵が酔っちゃいかんというのか!」
グランサイファーの食堂に、バロワの大声が響いた。
「先生、でも、いくらなんでも飲み過ぎですよっ!」
「そうだぜ名探偵のおっちゃん。酒瓶何本空ける気だよ」
助手のサーヤが一生懸命止め、ビィくんがあきれた声をだすが、バロワは止まらなかった。
彼がやけ酒をしているのは、グランが聞いたところによると、先日彼が解決したという宝石商の事件に関係しているという。
バロワは自分が集めた証拠を根拠に見事解決したと思っていたが、それは事件の始まりから、終わりまですべて怪盗シャノワールの手のひらの上だった、と知らされて、すっかりふてくされているのだった。
グランのハーミット姿のマントをタオル代わりにしながら、バロワはぐずぐずと泣いている。(泣き上戸なのである)
「う、う~~~~~~~っ。なんれっ、なんれヤツはいつもおれをおもちゃにしてあそぶんだあ~~~~~~~」
すっかりできあがったバロワは、ピタリと一瞬動きを止めると、本格的にボロボロと涙を流した。
うえ、ひぐ、としゃくり上げるバロワを、とりあえず部屋に帰そうということで、すっかりタオルになっているグランがサーヤに頼まれて彼の腕を肩に担いでつれていくことになった。
・・
「やだあ~~~。もう、団長ぐん......。怪盗なんか嫌いだあ~~~~」
グランの背中に思い切り体重をかけて、バロワは愚痴をこぼした。
「何をやっても、あいつの手の上なんだ。くそう......。いつかぜったいつかまえて、ぎゃふんといわせてやる......。俺だって、俺だって、頑張ってるんだぞ......ッ!!!」
そういうバロワをグランはなんとか部屋までつれてくると、大きな荷物を下ろすようにしてベッドに寝かせた。彼が新調したと自慢していたコートもそのままだ。
バロワはくるんと胎児のようにまるまって、ぐすぐすと泣いた。まだ酔いは覚めていないらしかった。
「団長くん......。ぐす......褒めてくれ......。いいこいいこしてくれないか......」
バロワは、くんくんと犬のように鳴いている。グランは、言われるままにベッドサイドに座り、バロワのくせっ毛をなでてやった。
「いいこ、いいこ......。これでいいかい? 名探偵」
その声に、サッとバロワの顔が青ざめる。まさに千年の酔いも覚める勢いだた。
「シャ、シャノワーーールッ!!!!!!」
鼻声でバロワは叫んだ。と、同時に、グランの姿が、親の顔より見たかもしれないシャノワールの姿に変わる。
「君のことはよく知っているつもりだったけれど、酔うと誰彼構わずあんなふうになるのかい?」
「うるさあい! 今日はとかく機嫌が悪かったんだ。貴様が、俺を、おちょく、う、うう~~~~~~~」
シャノワールの白いタイをひっつかんでつめよったバロワは、結局酔っ払いのテンションで、ずるずるとそのままシャノワールに縋るように彼の膝に丸まってしまった。
「せっかく探偵としての格を上げたと思ったのに」
「ああ」
「このコートだって、新調して......」
「気に入っていただけてなにより」
とても似合っているよ、とシャノワールが角の根元をくすぐりながら言えば、バロワはもう大声を出す力もなく、「これまで貴様の手が入っていたのか、シャノワール......」とだけ言った。
「ところで、名探偵の君に質問だ。人間が、相手に服を贈ったとする。その真意は恋愛学的解釈を施すとどうなる?」
「はあ?」
「答えは、そう。抱きたい」
シャノワールはうっそりと笑うと、目を白黒させるバロワをベッドの中央に転がし、その上に覆い被さった。
・・
「このコート、本当によく似合っているよ、探偵」
シャノワールは、嬉しそうに何度もバロワをコートのうえから触った。美術品を愛でるような手つきだ、と詩的な表現を持つものならそう評しただろう。
「それに、また胸も大きくなったんじゃないかい」
日々のトレーニングで鍛えられた胸筋は、シャツのボタンがはち切れそうなほど育っていて、シャノワールが触ればぎちぎちと合わせ目が音をたてた。
「コレも貴様をつかまえるため......へ、変なさわりかたはやめろっ」
「変な? どんなさわりかただろう。こんな? それともこんなだろうか」
シャノワールは、存外ハリのあってやわらかな胸筋をもんだり、持ち上げたりしてみた。バロワは、どっちも変だ! と怒ったように言った。
「いや、変ではないよ名探偵。言ったじゃないか」
――――抱きたい、って。シャノワールは、そう言うと、バロワの口をむりやりふさいだ。
「......ッ、っぶ、ん~~~~~~~!!!!!!」
獣が獲物に食らいつくような口づけだった。驚いて口をぽっかり開けたバロワの口内を、シャノワールの舌が蹂躙する。びりびりとしびれるような感覚が、バロワの脳の奥の方でした。
呼吸がままならず、思考が奪われる。力が抜ける。今自分にキスをしているのは宿敵であるというのに、バロワはただただ快感を追っていた。
「ぶは、......はあ、は、は......。お、終わった」
「終わりではないよ、名探偵」
「コレの続きがあってたまる、か、ぬああ!」
シャノワールは、酔いもあって抵抗も薄いバロワの両足を持ち上げて、肩にかついだ。それから、バロワのベルトを器用にゆるめると、ずるりとふともものホルターまでズボンを下ろした。
それから、懐からガラス瓶をだすと、そのなかのどろりとした液体をバロワのあらぬところ――――つまりは、尻に、塗り込めた。
この間まさに数秒。まさに怪盗の早業である。バロワは、シャノワールの指が尻に挿入されるまで、なんの反応もすることができなかった。
「き、きさま......! ほ、ほんとに」
「バロワ。私は君を抱きたい。そういう意味で、このコートを君に贈った」
「コートは俺が発注したものだ! くそっ、どいつもこいつも、昔から、ドラフが頑丈だからって精液便所みたいに乱暴に!」
「......今なんて?」
すっ、とシャノワールの目が剣呑に細められた。後孔をほぐしていた手の動きも止めて、二度、問いかける。今、なんていった?
「む、昔の話だ。男所帯だとよくある......。顔が怖いぞ、シャノワール」
「ふふ、私がうばいたいものが、とっくに無くなっていたと知ってどうしようか考えあぐねているところさ。まあ、君が『乱暴』に慣れているならば、変な気遣いもやめてもいいかもしれない」
シャノワールは、ひどく美しい顔で笑うと、ズボンのまえたてをくつろげて、勃起した陰茎を取り出した。それを、なんのためらいもなく、バロワに挿入した。
「そ、んな! う、あッ......。ぐ、ふうううううう」
「すまないね、余裕がなくなってしまった」
「ば、ばかもの、いきなりいれるやつがアッ、あ、っぐ、は......!」
文句をわめいていたバロワだったが、シャノワールが情動のままにピストンを開始すると、うめき声のようなあえぎをあげた。
「は、すごい、持っていかれそうだ......」
「......やめ、ろ、ほんうっ! んとう......に......ぜーっ......んうっ! っ!」
シャノワールが、浅いところからより深いところへ、粘膜を擦るようにして侵入すると、バロワは首をいやいやと振って抵抗の意を示した。
「あ、ああ、あまりおくはっ!、だめだ......! っ! おぉ"ッ! ......かしくな......るっ、ぐ! ......はっ!」
「ッ、止まれそうもない、な!」
「なああッ!?!?!?」
いっそう抜き差しを早めると、バロワはとうとう言葉を話さなくなった。あ、だとかう、だとか、あえぎ声を上げるばかりだ。絶頂はすぐそこにあった。
シャノワールが、バロワのコートの裾を持って引き上げるように持ち上げると、バロワの上体がぐっと上がって、接合部がより密着した。
「あッ、あ、あ、ッ! ~~~~~~~!!!!!!」
それと、バロワが果てるのはほぼ同時だった。きゅうきゅうと締め付けもつよくなり、シャノワールもやがて射精した。
・・
「貴様な、俺のことをおもちゃにするのはいいが、性玩具はないだろ」
気をやったバロワが、目覚めて一番に言ったのはそれだった。シャノワールは心外だ、と言って、バロワの頬にかるくキスをした。
「私は君をとくべつで、好きだと思っているという意思表示は、してきたつもりだよ」
「どれがそれだかわからん! もっとはっきり言え!」
「好きだよ、バロワ」
「~~~やっぱり言うな!」
バロワは、枕をシャノワールに向かって投げた。なぜなら、シャノワールが見たこともないようなやさしい表情をしていたものだから、気まずかったのだ。
おわれ