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ベッドのうえで

(リクエストのシャノバロ騎乗位。襲い受けで、バロワさんが非処女。薄味です)

 まずい、何をしているんだ俺は、とバロワの頭の中で警鐘が鳴る。
今日もヤツを捕まえられなくて、遊ばれるだけ遊ばれて。サーヤを帰したあと事務所で安いブランデーをがぶがぶと飲んでいたら、ヤツが現れて。それで。
 どうしてこうなったか、酒に酔ったバロワの頭ではよく思い出せない。ただ、売り言葉に買い言葉で、ベッドにもつれ込んで。
 眼下に寝転がるシャノワールが余裕げに笑っているのが無性に腹が立った。このひょうひょうとした態度が気にくわないのだ、とバロワはますます憤慨して、ぐっとその襟元を持ち上げて唇を重ねた。
 かみつくように口づけると、なぜだか容易に向こうは口を開けてバロワを迎え入れた。余裕がありますといった風で、憤然とバロワはむさぼるようにその口に舌を入れた。噴き出した汗がぼたぼたとしたたる。
 は、だとか、ふ、だとか、漏れる息が静かな事務所にいやに大きく響いた。意地悪のつもりだった。こんなむくつけき男にベッドに連れ込まれるなど、おきれいな顔をした怪盗は嫌だろうと思ったのに。それなのに、なぜ、こんな、何度も何度も。だんだん気持ちが良くなってきて、思考がうまくまとまらなかった。
 またがった男の下半身がバロワの尻に当たっていた。すっかり固くなったそれに、こいつも興奮するのかと謎の感動を覚える。これを尻に入れてやったらどんな顔をするだろうか、なんて考えてしまって、そうしたら止まらない。
 やめろ、今なら。今なら酒のせいで、と冷静な自分が叫び声を上げるが、バロワは頭と体がばらばらになってしまったかのように、勝手に体が動くのを止められなかった。
 それに、シャノワールもシャノワールで、抵抗もしないで、こちらを欲の目で見ている。男の目だ、とバロワは思った。中性的で、女装だってこなす彼がそんな目で見てくることが本能的なぶぶんをぞくぞくと刺激した。
 バロワは、自分が男のものをくわえ込むなんて何年ぶりかも忘れて、シャノワールのペニスをおぼつかない手つきで下履きから取り出す。時々ついているのかいないのかわからんと思っていたが、それは立派に男性の象徴としてそそりたっていた。
 ごくり、とバロワの喉が鳴る。ちらとシャノワールの顔を伺う。コレは仕返しだとかなんだとかバロワは言い訳めいたことを言って、自分の指をねぶるとべたべたの指ですこしばかり後ろをならし、そのままシャノワールのペニスを尻孔に挿入した。
 う、とお互い顔をしかめる。それは刺激のせいであって、嫌だとかそういうものではなかった。バロワはその巨躯でシャノワールをつぶさないように、ぬぷぬぷと浅いところを何度か行き来した。一気に重力に任せてそのままおくまで全部くわえ込んだら、体重が全部かかってこの華奢な男を殺してしまうのではないかとバロワは恐れた。
「怖いのかい」
 それが、戯れが始まってから明確にシャノワールが発した最初の言葉だったようにバロワはぼんやりと記憶している。
「貴様が、はッ、死なんように、配慮して、やってるんだっ」
 バロワは挑発的に笑い返した。そうすると、さっきまですっかりマグロだったシャノワールが、ぐ、と腰を突き上げる。
「なあッ!?」
 がくん、と支える腕の力が一瞬抜け、シャノワールのペニスが奥深くまで入りぞくぞくとバロワの背骨を快感が突き抜けた。なんとか持ち直してシャノワールを睨みつけると、それは愉快そうな顔をしていた。
 くそ、とバロワは悪態をつくが、シャノワールが背中を起こしバロワを本格的に揺さぶるので、その声はすぐにあえぎに変わった。
「は、あっ、バカもの! なにッ」
「せっかく、きみが乗っかってくれてるんだ。っは、贅沢は楽しまないと、損だろう?」
「っひ、そんな、動くなッ、ちから......ぬ、けッ、ああっ」
 ぱんぱんと、尻と腰がぶつかりあう音がする。脱がないままのシャツがべたりとはりついて気持ちがわるかった。ベッドに付かれたバロワの太い腕は、ぶるぶると震え、今にも快楽に陥落しそうになっていた。
「あ、は、ズルって、はいっ、なかが、アッ、はーっ」
 何を言っているのか、バロワは分からなかったし、きっとそれを聞いているシャノワールだってそうだっただろう。がくがくとゆさぶられ、奥の方まで突かれると、もうどうしようもなくて、快感で頭がいっぱいになってしまったバロワは、いつしかすっかり自分を支えることを忘れ、シャノワールの背に腕を回してぎゅうと抱きしめていた。
「ぐ、気持ちいいかい、名探偵ッ」
「は、あ~、はっ、奥、にっ、当たって、ひっ、もちいい」
 もうなにもかもがどうでも良くなっていた。ここまできたら、やめられそうもなかったし、なによりがんがんとバロワを責め立てるシャノワールがやめさせてくれなかった。
 余談だが、バロワの怪力で抱きしめられたシャノワールの肋骨は二本ほど折れ、魔術医の世話になった。

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