匂いに溺れる24時
(SV チリオキ R18)
「アオキさん、すっごい濡れとるね。期待してた?」
アオキの濡れが良い、ヒート中の濡れた後ろを触りながら、チリはアオキに囁いた。すると、アオキはチリの腕の中で小さく喘ぎながら、だって、と口にする。
「……だって、あなたが帰ってくるなり抱きついてきたりなんか、するからっ。フェロモンが……!」
「抱きつかれただけで?」
「だって……♡ ぎゅってされるとだめなんです……♡ へ、変態みたいでしょうか、期待して、セックス、してほしいって、体が……♡」
ぎゅうとチリに抱きついて、耳元で囁かれるそのあまりにドスケベな言葉。チリはぶわ、と興奮して、フェロモンをまき散らす濃度を高くする。恋人にここまで甘えられて、我慢できない女も男も存在しないだろう。
「心配やなぁ。アオキさん、他のアルファに抱きつかれてもそんなことならん? チリちゃん心配やわ」
チリは、ぐちぐちと愛液で濡れた後穴をいじる強さを早める。もっとスケベな言葉を引き出したくて、もっとアオキに乱れて欲しくて、心配やわ、なんて、つがいなのだから互い以外のフェロモンが効くわけもないのに意地悪を言う。
「なら、ならないですよっ……♡ あなた専用の、あなただけのつがいだって……わからないんですか……? チリさんの、フェロモンしか、こんなふうに感じないですよ……♡」
「あーもう、アオキさん。好き。めっちゃ好きやわ。いれてい?」
「お好きに……♡」
たまらなくなったチリは、さっさとスキンと付けてしまうと勃起した自身をアオキに挿入した。ずぷん、と入り込んできたアルファ陰茎を、アオキの膣はうねうねと動いて歓迎する。まるで甘えてくるみたい、とチリは感じた。アオキは、濃くなったチリのフェロモンに溺れそうになりながら、身をよじって喘いだ。
「そのうち、匂いだけでイッたり、してな!」
「そ、そんな、はあっ♡ 三日ぶりだからって、そんなこと♡ そんなのない、です……♡ ああっ」
「いいや、させたる。今度は匂いだけでイくよになろーな♡」
「そんな、もっと……、んふぅ! じぶん、変態になってしまったら、人間終わってしまわないですか……?」
「かまへんかまへん、人間終わっても、チリちゃんがよ~~~~く、かわいがって、やるさかいなあ!」
ずん、と一際つよくチリはアオキのオメガ子宮を突き上げる。獰猛な猛禽類のようになって自分をむさぼりくらうつがいの姿に、アオキの子宮はきゅうんとうずいた。
そもそも、顔を見てするのがすきなのだ。みなに笑顔を向けるチリの、うつくしい相貌が、今は汗だくになって本能のまま自分を求めてくれているのがセックスのときだけは鮮明にわかり、その顔を見るのがどうにもアオキはたまらない。
「じゃあ、終わっても……♡ いいですね……♡」
「今日はもう、なんもかんがえんと、チリちゃんのことだけみときや、なあっ!」
「あっ、ああ~~~~ッ♡」
オメガの弱いところを突いてやると、アオキは一際甘い声をあげて、フェロモンでチリの性欲を誘った。甘ったるい匂いが部屋に充満する。それはチリがいつも部屋で炊いている柑橘系のアロマをかき消した。
「はあっ♡ ああっ、あっ、つよい♡ チリさん、ちょっと♡」
肉棒に串刺しにされた壮年男性の甘い声が、小さくチリの耳に届く。普段から小声のアオキであったが、セックスのときもいじらしいほどにささやくような喘ぎ声を上げる。それが羞恥からくる辛抱であるとチリは分かっていて、我慢ができなくなるほどに抱き潰してしまいたい、と思わせてくる。
「アオキさんのここ、すごい咥えてはなさんなあ。そんなにチリちゃんの赤ちゃんほしいん?」
冗談交じりに、チリは軽く子宮を揺さぶりその吸い付きを味わいながら、軽口を叩いた。すると、アオキはチリの長い髪をくいとひっぱって紅潮した顔を寄せると、「ほしいといったら、くれるんですか……?」と囁いた。
「そりゃ、当たり前や! なあ!」
これにはもうすっかりチリも参ってしまって、がっしりとアオキの薄い尻をつかむと、律動を早めた。ヒート中の彼のからだをおもんばかっての行動であるのに、ああ、0.01mmの膜が惜しい、と思うくらいだった。
「つがいやぞ、チリちゃんはいつだって! アオキさんがええっていったら、いったらなあ!」
「おふっ♡ チリさ、だから、つよすぎ、ですっ♡ ダメな声出そうだから、んふーっ♡ 汚い声出るから、おっ♡ ほおっ♡」
みっともない声を出しながら、アオキはよがり狂う。イヤイヤなどポーズであって本気ではないのをよく知っているチリは、さらにごつごつと奥の方を耕す。それだけでアオキはたまらなくなって、汗と涙にまみれたとろけた顔をさらした。こんな顔、セックスの時以外見せない。自分以外の知らない顔がアオキにあることにチリは嬉しく思う。
「チリさ、お願いします。んふっ、あっ。いつか、自分の胎いっぱいに……♡ してくださいね……♡」
「いつかとはいわず今したる。もう我慢できん。今したるわ、このリーマン」
ずるり、とチリは陰茎を抜いて、スキンを雑に剥ぎ取った。もう孕ませる以外の選択肢はなかった。ここまで乞われて、孕ませないならつがいの名が廃る。
「あの、チリさん。おてやわらかに、どうか……。じぶん、もう、しんどくて」
「そんなに煽っといていやよだめよはないわ。絶対に今日は妊娠するまでセックスしたる」
「せ、責任とって、くださいよ……」
しんどくて、というわりに、初めて見たスキン無しのチリの陰茎から、アオキは目が離せない。これが、自分のなかになんの隔たりもなしに入って、暴力的に射精をすると思うと、胸がときめいてしかたがないのだ。
そして、互いのフェロモンで充満した部屋で、二人の獣がお互いをむさぼりあった。