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​バック・トゥ・ザ・ヴァージン

​​(宗へし)

※付き合っている二人
※長谷部くんが最初完全に雌落ちしてます

「んぷっんっんふじゅぷっ」
「そんなに一生懸命なめて、そんなに好きなんですか? 僕の」
「ああ、ふむっ、じゅる、ふひは(好きだ)」
 僧衣の前をくつろげたところに頭を突っ込んで、犬のように長谷部は宗三のいちもつをなめしゃぶっている。
「はーっ…っあむ…っ…はーっ……はぁッっずずっん…ぷっ」
「もういいですよ、それとも、口の中で射精されたいのですか?」
 宗三がそう問いかけると、長谷部は慌てて口を離し、下履きをすっかり脱いでしまって、ピンタックシャツとカソックを羽織るだけになっている自身の下半身に手をやった。
「もう、ここが限界だ、いれろ。宗三……。いや、待てない。俺が入れるッ」
 やおら布団に宗三を押し倒すと、長谷部はいやらしく舌なめずりをして、宗三の陰茎をひっつかむと、ひくつく尻穴に当てた。くちゅり、とならしてもいないのに粘つく音がした。
「まっ、貴方は待てもできないんですか、あっ」
「はあッ!」
 ズッ、と音がして、長谷部の尻穴に宗三の陰茎が侵入した。
「…っは…っはぁッぁッん、すごい、きもちい…い!」
 長谷部は浅いところを楽しむ様に自分で腰を動かし、はあはあと息を荒げている。その自分勝手なさまに、宗三は腹を立てて
、ぐんと腰を動かした。
「バカですね。僕が下にいるの、忘れてません、か!」
「はひッ、あっ、すんっ! ごい、そうざっ…ぁ! っ、もっぉ! も…っろ、突き上げ…っはぁッ、てくれ、…奥までッ!」
 ずっぽりとくわえこんではなすまいというように、長谷部の腸内はきゅうきゅうと強く宗三を締め付けた。今すぐにでも達してしまいそうなのをこらえて宗三が長谷部を突き上げると、長谷部はうれしそうにぼろぼろと生理的な涙を流して感じ入った。
「っ! はあ、もう、いくっ! い…くいくいく!」
「僕も、中で、ッ、出しますよ!」
 びくびくびく、と長谷部は体を震わせると、びゅるびゅると射精した。締め付けに耐えられず、宗三も同時に長谷部の中で果てた。

 

 ・・・

「もう終わりか? 体力がないな」
 長谷部は、無神経に宗三に聞く。
「当たり前じゃないですか。僕はワンラウンドしか持たないんですよ。貴方と違って。しかも、騎乗位なんかさせて……。腰が痛いんですけど」
 身じろぎするたびにこぷこぷと宗三の精液がこぼれるのにも感じるらしく、ん、と色のある悩ましげな声を漏らす長谷部に欲情しないわけではないが、それはそれ、これはこれなのである。
「はあ~~。いつからこんなに淫乱になったんだか。口づけひとつで大騒ぎしていたじゃじゃ馬のころがなつかしい……」
 宗三は遠い目をして窓から見える夜空を見た。ああ、あの清純な長谷部はどこにいってしまったんでしょう。宗三は、懐紙で陰茎についたものを拭ってしまうと、そうため息をついた。
「お前がこんなにしたんだろう。お前が……」
「明日は出陣なのでしょう。もう後始末をして、寝なさい」
 不満そうな長谷部をよそに、宗三は早々と布団に入り寝入ってしまった。長谷部も、それから後始末をすると、その隣によりそうようにして眠った。

 

 ・・・

 

 次の日、出陣帰りに軽い怪我を治すため手入れ部屋に入った長谷部に問題が起きた。
 隊長だったという弟の小夜からそのことを聞かされ、手入れ部屋まですっとんで行くと、薬研が宗三が来るのを待っていたかのように、手入れ部屋の障子戸の前で立っていた。
「いいか、宗三の旦那。心して聞けよ」
「一体、何が起きたっていうんです」
 真剣な顔をした薬研が、宗三の方をたたいてこう告げた。
「長谷部の旦那が、記憶喪失になった」
「はあ?」
 よくよく聞くと、薬研の言うところには、長谷部の記憶から宗三と恋人であった間の記憶だけがすっぱりとなくなっているのだという。
「そんなご都合主義みたいなことがあっていいんですか!」
 と宗三は憤慨したが、
「まあまあ、バグってやつは奇妙なもんで、へんな作用ばかり起こすのさ。俺も、大将も、お前さんたちの為に治す方法を探してるとこさ。恋刀が記憶喪失だなんて、嫌だろう」
 と薬研になだめられた。
 宗三が二人きりにしてほしいと薬研に頼むと、薬研は了解と応えて、ひらひらと手を振ってその場を去った。後に残るはは障子の向こうの長谷部と、宗三だけとなった。
「本当に、俺とお前が付き合っていたのか?」
 宗三が長谷部に面会すると、長谷部は開口一番そう言った。信じられない、という顔だった。
「俺とお前じゃ、そりが合わないし。ケンカばかりしていたように思える。とても信じられん」
「信じるもなにも、事実なんですから仕方がないでしょう。記憶がないにしろ、そういうことを言われるのは傷つきます」
 カラッとした口調で言う長谷部を、よくも好き勝手言いおって、という顔で宗三はじろりとにらんだ。
「あ、ああ……。すまん。だが、俺には全く実感がなくてな……。その、俺が、ネコだってことも……」
「は?」
「だって、俺の方が男らしいだろう? だのに、お前が……」
「それ以上は聞きたくないですね」
 プツン、となにかが切れる音がした。この、何も知らない阿呆に、思い知らせてやらないといけない気がした。昨日、あれだけよがり狂って、2ラウンド目まで要求してきた淫売のくせに、記憶だけすっぱりなくして、しかも自分の方がタチだって?
「うわッ」
 起き上がっていた長谷部を、宗三は無理矢理手入れ部屋の布団にどすんと押し倒してマウントを取ると、そのままシャツをひっぱりあげてキスをした。
「なにするんだ!」
 ばっ、と突き飛ばしてきた長谷部の顎をむんずとつかんで、宗三は乱暴に口のなかに舌を突き入れる。
「な、やめっ、ん、ちゅ」
 引っ込もうとする長谷部のそれに舌を絡め、歯列をなぞって、上顎をなめる。ぐちゅぐちゅ、ちゅぱちゅぱと唾液がこぼれるくらい口づけを何度も繰り返すと、長谷部はとろんとした顔になった。
「あなたは、口づけがだあいすきで、こうやって、舌を絡ませたり、上顎をちょいと撫でてやると、すぐ気持ちよくなる」
「は、はあ?」
 長谷部は自分の体の反応に驚いた様で、目をまん丸にして宗三を見た。
「嘘だってお思いなら、抵抗なさい」
 宗三はそれだけ言うと、また長谷部の口に軽くキスをする。それだけで長谷部の体は快楽にぶるりと震えた。
「や、やめろ。こんなところで……あっ」
 じたばたと暴れようとする長谷部だったが、宗三の手が胸にいったことでその動きを停止した。
「どうです? ここ、気持ちいいでしょう。僕が開発したんですよ」
 先ほどのキスで感じてしまったのか、ピンタックシャツの上からでも分かるくらい、それはつんと天を向いていた。
「ん、ああっ、や、やめろっ」
「ほらほら、こうやって触られるの、大好きだったじゃないですか。思い出しません?」
 ぐりぐりとそれを押しつぶすようにこねまわすと、長谷部は泣いて嫌がった。
「変だ、こんなのっ」
「変じゃありませんよ。恋仲だって言ったでしょう」
 シャツの上から、勃起した乳首をペロリとなめると、ああ、と声を上げて長谷部はよがった。
「だめだ、なめるのは!」
「知りません」
 服の上から、なめたり、ちゅうちゅうすったりすると、長谷部は息も絶え絶えになって、自然と足を開いていた。
「ほら、長谷部。ご覧なさい。入れてほしいって、体が言ってますよ」
「そ、そんなことは! あ、あるのか……?」
 はじめての感覚に戸惑いを隠せない長谷部は、まるで処女のように震えた。
 しかし、体は処女ではない。抱かれ慣れた体は、女でもないのに、すでに埋めてくれるものをほしがっている。宗三が長谷部のカマーバンドを手慣れた仕草で外し、下履きを取り払うと、やはり長谷部の陰茎は屹立しており、その先走りが尻の穴までたれていた。
「キスして、胸をさわっただけで、こんなになって……。ほら、尻の穴だってひくついて、ほしがってますよ、僕の」
 くちゅ、と音をたててそこに触ってみせれば、長谷部は真っ赤になって「そんなところ、さわるな!」と言った。
「そんなところって。何度も僕のをくわえ込んだ淫乱穴ですよ。自分でも分かるでしょう? そこに何がほしいかって」
 宗三がみみもとで優しくささやくと、長谷部は、はじめ屈辱に震えるかのような表情をしたが、「ほ、ほんとうに、恋仲なんだな」と確認すると、「……おまえのが、ほしくてたまらない……」といじらしく言った。
 ああ、この男、たまらない! 宗三はいますぐめちゃくちゃにしたくなって、着物の隙間から自身を取り出した。とっくに勃起したそれは、ずぷりと長谷部の尻穴にぴたりとはまるように挿入っていった。
「っ――!」
 長谷部は声にならない声を上げる。顔はすっかりとろけてもはや抵抗するという気はないようだった。
「いれただけでうれしそうじゃないですか。わかります? 僕のかたち。根元までぴったりはまっているでしょう」
「あ、ふあ……。っく、すごい……。そうざの、すごく、あつい。俺も……、中が、あつくてたまらない」
「そうですか、じゃあ、こうやって、動いたらどうなるでしょうね!」
 宗三がピストン運動を開始すると、長谷部は首をのけぞらせて「っあ!」っと悲鳴をあげた。
 出し入れを激しくすると、長谷部はすがるものがほしいのか、シーツをぎゅっとつかんでもだえた。
「ふっ、ああっあ、うっ! くっ、ううぅ、くっ! はぁっ! あ、そ、そうざっ、はげし」
「え? ん、もっとですって? はあっ、僕の腰が壊れてしまいます、よ!」
「違う! も、あ、っく、な、なにか、クるッ……!」
「そのままイっておしまいなさい! よく見て。誰に抱かれてイってるのか、しっかり目に焼き付けるんです、よ!」
「あ、あ、あ、っ~~~~~!」
 長谷部は、最後は声にならない声を出して果てた。宗三もあとから追うように、陰茎を抜くと長谷部の腹の上に射精した。
 
 ・・・

 

「悪いことをしました」
 宗三は、長谷部の腹についた精液を懐紙でふいてやりながら言った。恋人同士だとはいえ、記憶のない相手を無理矢理抱くなど、よくないと気づいたのだ。
「いや……。俺も、お前のことを忘れてしまっているのだし、おあいこだ」
 長谷部は、乱れた服を直しつつ、そう返した。
「そ、それに。わ、忘れても、体はしっかり覚えていたみたいだしな……。お前をネコ扱いしたことは謝ろう」
「それはいいんです。僕が勝手に気にしていることなので」
「それにしても、お前はあんな、荒々しく抱くのだな……」
 カゴの鳥といっているのに、意外だ。と長谷部は言った。
「それは、愛しい人を前にすると、僕も一介の男に成り下がるってことですよ」
 宗三は優しく言うと、長谷部のほほに口づけを送った。
 そこでがらりと障子戸があいた。
「よーう旦那~! 原因が見つかったみたいなんだが……、お、お邪魔だったか……」
 明らかに事後です! というそれをばっちり薬研に見られてしまい、気まずい雰囲気になったのは、自業自得ということで。

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